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2018 年度 実施状況報告書

三次元有限要素法を用いた最適な部分床義歯設計を目指した解析システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K18372
研究機関愛知学院大学

研究代表者

神原 亮  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40633855)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード有限要素法 / 磁性アタッチメント / キーパー吸着面角度 / CTデータ / 材料定数変換プログラム
研究実績の概要

本研究は、これまでの研究成果を基盤として、部分床義歯の設計、製作を行うにあたり、口腔内の残存歯を含めた諸々の組織の特性を十分に把握し、患者個人に最適な義歯設計を三次元有限要素法を用いてシミュレートするシステムを構築し、義歯設計における確固とした力学的根拠を確立することを目的としたものである。
2018年度に実施した研究成果としては,患者個人のCT画像データや研究用模型、咬合力や咬合接触域等を用いてシミュレーションを行うに先立ち,これまでの研究成果が今後の多様な条件設定に対応可能かどうか検証すると共に、歯科用磁性アタッチメントを用いた義歯設計についても詳細に力学的検討を行った。
研究対象としては、最後方臼歯に適用される歯科用磁性アタッチメントのキーパー吸着面角度が支台歯周囲組織にもたらす力学的影響について検討を行った。解析モデルの構築には、下顎石膏模型(ニッシン社製)のスキャニングによる形状データおよび頭蓋骨モデル(P10-SB.1)(ニッシン社製)のCTデータからの形状データを用いて有限要素モデルを構築した。解析モデルの顎堤粘膜部および歯根膜部には、材料定数を自動的に変換できる材料定数変換プログラムを用いて粘弾性挙動を再現した。解析結果は、最後方臼歯に磁性アタッチメントを適用する際、キーパー吸着面角度を咬合平面と水平にすると、磁性アタッチメントの吸引力は得られるが、支台歯周囲組織への力学的影響は多きく、逆にキーパー吸着面角度を支台歯歯軸と垂直にすると吸引力は減少するが、支台歯周囲組織への力学的影響は少なくなることを確認し、支台歯の臨床状態を考慮してキーパー吸着面角度を設定する必要性を示した。
以上から、これまでの研究成果,手法の有効性を確認でき、今後の研究の基盤として十分であることを確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2018年度の研究成果を踏まえ、当初2018年度に購入を予定していたT-スキャンⅢを2019年度に購入することにより、当初予定していた研究計画を行うことができると考えているため。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果であるCTデータ、研究用模型を利用した細部再現性の高い解析モデルの構築方法および材料定数の自動変換プログラムにより負荷される荷重量に対して独特な変位量を示す軟組織の粘弾性特性を再現し、解析への反映させる手法に加え、T-スキャンⅢ等を用いて、患者本人の咬合接触状態、咬合接触面積、咬合力等を正確に採得し、それらをデータ化して、この生体情報を荷重条件として正確に有限要素法解析に反映させる条件設定の確立する。
これら一連の解析方法の確立により、患者個人に最適な義歯設計について三次元有限要素法を用いてシミュレートするシステムを構築し、さらには、得られたシミュレーション結果を集積することにより、部分床義歯設計における確固とした力学的根拠の確立を最終的な目標としている。

次年度使用額が生じた理由

研究の進行具合に遅れがでたため、2018年度に購入を予定していた物品を2019年度に購入することにしたため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 磁性アタッチメント義歯における 最後方臼歯に適用したキーパー吸着面の 角度の違いによる支台歯周囲組織の応力解析2018

    • 著者名/発表者名
      神原 亮,熊野弘一,中村好德,庄司和伸,田中茂生,武部 純
    • 学会等名
      第28回日本磁気歯科学会学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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