本研究では申請者の独自技術である非接触濡れ性センシングの原理を深めるとともに、細胞品質評価への応用を行なった。液体で覆われた評価対象表面に対して、一定圧力に圧縮された空気の噴流を与え、一時的に液体を除去した。評価対象は、マウス骨格筋芽細胞株C2C12の培養細胞であり、細胞増殖用の血清添加培地と筋管分化誘導用の無血清培地でそれぞれ培養したものを準備した。結果として、分化誘導を行うと培養日数ごとに空気噴流停止後の液体回復時間が血清添加培地よりも延長することがわかった。細胞分化の継時的変化を非接触濡れ性センシングによって検出可能であると結論づけられる。
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