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2020 年度 研究成果報告書

ナノ粒子内を反応の場とする有機反応を利用したナノ空間分解性mRNAベクターの開発

研究課題

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研究課題/領域番号 18K18377
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分90120:生体材料学関連
研究機関千葉大学

研究代表者

田中 浩揮  千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (60801743)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードmRNA送達 / ドラッグデリバリー / 炎症性疾患
研究成果の概要

本研究ではmRNAによる遺伝子治療を実現するため、粒子内で特異的に誘起される有機反応を利用した自己分解性脂質様材料を開発した。本材料(ssPalmO-Phe)は還元剤存在下で自己分解し核酸を放出すると共に、生体への蓄積性が低く毒性が低いことが明らかとなった。また、本脂質を用いて炎症性疾患の治療を試みた。劇症肝炎モデルでは治療効果の確認が難しかったものの、これは本モデルが致死的であり、タンパク質補充の戦略が適さなかったためと考えられる。次にDSS腸炎モデルの治療を試みた。その結果、免疫抑制性のサイトカインであるIL-10や、大腸炎関連因子を導入することで、顕著な治療効果が見られた。

自由記述の分野

薬物送達学

研究成果の学術的意義や社会的意義

インビトロ転写で合成されるIVT-mRNAを用いた遺伝子の導入は、SARS-CoV-2に対するRNAワクチンの登場で大きな注目を集めた。一方、IVT-mRNAは任意のタンパク質を導入可能であるものの、ワクチン以外の応用は実用化されていない。これは、IVT-mRNAの送達に用いられる技術それ自体が免疫刺激性であるためである。本研究では、生体内で自発的に自己分解する素材を開発し、生体への影響をできるだけ低減したベクターを開発した。本ベクターを用い、炎症を抑えることで、潰瘍性大腸炎に対する治療効果が得られた。このような刺激性の低い分子は、IVT-mRNAを用いた治療の実現に有用であると期待される。

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公開日: 2022-01-27  

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