本研究課題では、一般的に、薬物送達効率が極めて低いとされている全身の筋組織(骨格筋および心筋)に、核酸医薬などの次世代中分子医薬品を送達することを目的として、分子サイズを精密制御した薬物送達システムの開発を行った。その結果、10~20nmの水溶性分子が、10 nm以下の分子と比べて腎排泄が抑制され、また、20 nm以上の分子と比べて筋組織への浸透性が亢進していることが確認され、筋組織への薬物送達システムのプラットフォームとして有用であることが実証された。さらに、開発した薬物送達システムに核酸医薬を搭載したところ、核酸医薬単独と比べて約6倍の集積効率を示すことが確認された。
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