研究課題
iPS細胞への安定的かつ効率的な遺伝子導入法の確立は、再生医療や創薬の開発において重要な課題である。我々はこれまでに細胞核でエピソーマルに持続感染する特徴を持つボルナウイルス(BoDV)を利用したウイルスベクター、ボルナウイルスベクター(BoDVベクター)を開発した。BoDVベクターは宿主ゲノムへ組み込まれることなくiPS細胞へ長期の遺伝子導入が可能であるが、他のベクターと比べ作製効率が悪く力価が低いことが問題点である。本研究ではこれらの課題を解決するため、ベクターの作製効率を上げるための細胞の検討を行い、BoDVベクターに対して高い感受性を持つ細胞を特定した。さらに、タンジェンシャルフローろ過システムを用いて非伝播型ウイルスベクターの濃縮を行うことにより、感染力価を向上させた。本研究により特定された細胞株と濃縮技術は、今後BoDVベクターの迅速な配給を可能にするための技術開発において重要な知見となる。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Molecular Therapy - Methods and Clinical Development
巻: 14 ページ: 47-55
doi: 10.1016/j.omtm.2019.05.010.