核酸は細胞に取り込まれた後、タンパク発現を制御するため医薬としての利用が注目されている。核酸の細胞内あるいは組織内移行量を高めて効能をあげる工夫として、ナノ粒子化、疎水性部位の導入が広く研究されている。しかし今回試行した点眼剤による眼組織への核酸導入においては、ナノ粒子としての形態を維持できる範囲での疎水性部導入では、期待通りのタンパク発現が得られなかった。眼は特にバリア性の高い組織で、核酸を眼内に移行させるキャリア設計には疎水性がもっと高くする(場合によってはナノ粒子としての形態にこだわらない)、あるいは他の相互作用も合わせて利用する必要性が示唆された。
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