研究実績の概要 |
平成30年度は通常の超音波診断装置でも使用可能である1.5次元(1.5D)超音波アレイプローブをシミュレーションに基づいた設計し、その使用をもとに開発を行った。また、同時に任意断面における2次元血流推定法を確立した。 1.5D超音波アレイプローブは当初の計画通り、空間分解能, SNR, 血流速度推定精度の観点からシミュレーションを行い, 仕様を決定した。シミュレーションの結果、中心周波数: 3.0 MHz , 素子サイズ: 0.5 mm ×0.5 mmを2次元的に配置(256 ch: 32 ch × 8 ch)した構造となった。実測評価には当初の計画とは異なり、Microsonic社製の超音波送受信システム(RSYS0002)を用いる予定である。 また、2次元血流推定法に関してもシミュレーションを用いて、異なる角度の拡散波を用いた手法、スペックルトラッキング法、ベクトルフローマッピング法の3手法を比較した。この3手法において、血流速度推定精度およびフレームレートの観点からスペックルトラッキング法、ベクトルフローマッピング(VFM)法の2手法を候補手法として決定した。次年度では、3次元血流推定法に適用した場合の推定精度を比較検討する予定である。また、任意断面において、流体力学法則を用いた2次元血流推定法の推定精度をシミュレーションによって検証し、十分な推定精度を有することを確認した。この2次元における検証結果より3次元での実行可能性がより確実なものとなった。さらに、上記の手法をヒト心臓に適用し、任意断面における2次元血流推定が可能であることも確認した。
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