研究課題/領域番号 |
18K18404
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
石原 量 順天堂大学, 医学部, 助教 (30633507)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 複数同時検出 / 裸眼検出 / 表面機能化自律駆動マイクロチップ / UVグラフト重合法 / その場診断 |
研究実績の概要 |
本研究は,がんをはじめとするさまざまな疾患の新規その場診断法を確立するために,申請者が近年開発した,持ち運び可能なPDMS製の自律駆動マイクロ流体チップの内表面に放射線グラフト重合法を利用して機能化した「表面機能化自律駆動マイクロチップ」を用いて,バイオマーカーを複数同時,および裸眼で検出する手法の確立をめざすものである。 これまでに,電子線グラフト重合法を利用して作製した表面機能化自律駆動マイクロチップを用いて,バイオマーカーにひとつであるマイクロRNAの〝異なる位置(異なる流路)による”複数同時検出,および同一流路内における〝異なる相互作用による”複数同時検出に成功している。これらの成果は,2018年11月に兵庫県で開催された第40回日本バイオマテリアル学会大会,および2019年3月に千葉県で開催された第35回高分子学会千葉地域活動若手セミナーにおいて学会発表をした。本成果は今後学術論文の形でまとめてゆく予定である。さらなる検出感度の向上が今後の課題であり,層流樹状増幅法を適用すべく,増幅試薬の合成をめざす。 裸眼検出に関しては,まず,裸眼検出に利用するためのDNA修飾金ナノ粒子の調製に成功している。調製した粒子の安定性の問題はあるものの,チューブにおいては金ナノ粒子が凝集し,これまでのように蛍光ではなく,色による変化が裸眼で確認できている。今後は,安定したDNAの金ナノ粒子の調製,および調製した微粒子のマイクロチップへの適用をめざす。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展しているため,大幅な計画の変更はないが,バイオマーカーの裸眼検出に関してある程度確立した技術であるはずの,高密度DNA修飾金ナノ粒子の調製に少し手間取っている印象である。早期に調製方法を確立し,マイクロ流路へ適用していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
バイオマーカーの複数同時検出に関しては,当初の予定通り,今後は検出感度の向上が課題であり,同一流路内において,2つの異なる相互作用を利用した層流樹状増幅法を実現するための増幅試薬の調製を進めていく予定である。 バイオマーカーの裸眼検出に関しては,当初の予定よりも少し遅れているため,まず早期に高密度DNA修飾金ナノ粒子の調製方法を確立し,マイクロ流路内でのバイオマーカーの裸眼検出に適用させていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に関連した,学内研究費が取れたことに加え,雑誌の投稿料の請求が翌年度に持ち越したため。投稿料として使用するとともに,当初予定していなかった実験備品の購入にあてる。
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