研究課題/領域番号 |
18K18411
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
堀内 哲也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (60738061)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | イオン導電性高分子アクチュエータ / 白内障 / 調節可能眼内レンズ |
研究実績の概要 |
私は2015年より筑波大学医学医療系と共同でイオン導電性高分子アクチュエータによる白内障治療用調節可能眼内レンズの開発に取り組んできた.白内障治療の市場規模は2019年には4000億円(世界)に達すると予想され,日本では年間140万枚の眼内レンズが出荷される.しかしその大半が海外製であり,国産化が急務である.一方で,眼内レンズは焦点距離調節機能がなく,世界中で調節可能眼内レンズ(パッシブ)の研究が取り組まれているが,多くの欠点が存在する.我々はイオン導電性高分子アクチュエータという0.1mm厚級で眼内に挿入可能な機能材料を用いて,能動的に駆動する調節可能眼内レンズを提案する.本研究ではレンズ・アクチュエータ一体化と,ゲルレンズの弾性制御による乱視抑制に取り組み,高分子アクチュエータの医療機器材料としての優位性を示す. 今年度はレンズ・アクチュエータの一体化を行い、学会発表を2件行った。アクチュエータのカプセル化を実現したという発表である。更に眼内埋め込み可能なサイズのアクチュエータ・及び人工ゲルレンズを作成済みであり、現在実験中である。また別予算研究であるが、特許申請も行った。調節可能眼内レンズのためのオートフォーカスシステムの特許で、患者が直感的に眼内レンズを操作できるようになるのみならず、どうやって眼内に電気エネルギーを伝達するかの方法にも触れている。以上のように性能向上だけでなく、実用化のための周辺技術の開発も進め、特許化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近日中に論文投稿にいける状態となっており、概ね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り遂行することになる。別予算で筑波大学拠点AMEDの研究も行っており、併せて遂行する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究所のネットセキュリティの動向を鑑みて、PCの納入を一時保留していた。なお、このPCは2019/05/14現在、既に納入済みである。
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