従来の可変眼内レンズでは患者の筋駆動を用いるタイプがいくつか用いられているが、患者の容態に応じて機能が制限されるという問題があった。そこで本研究では電力で駆動する膜状アクチュエータであるイオン導電性高分子アクチュエータで駆動する患者容態に依存しない可変型眼内レンズの開発を行う。 本研究では目的が2つあった。1つは、先行研究では6次の高次収差(乱視)が大きいという問題があったが、これは構造改良により解決した。もう1つは生体豚摘出水晶体を用いていたレンズ材料に対し、人工物に代替することであった。これも達成したものの、材料の柔らかさが生体に及ばず、焦点距離変更範囲増大までは達成しなかった。
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