本研究は「救急および手術室における緊急気道確保の問題点に対しシミュレーターを用いた気道管理困難モデルを用いた赤外線イメージング機能の網羅的評価および臨床評価への応用」を行うことである。臨床現場における気道管理困難評価における赤外線イメージング技術の応用を行い、赤外線技術の緊急気道評価への臨床応用を確立させることを初期目標としていた。2018-2020年度の3年間は継続して「赤外線イメージングによる気道評価」と「気道管理困難」の関連性についてシミュレータおよび人体での初期観察研究を継続的に行った。2021年度から継続して下記1.2.の遂行を行ったが以前として1の3次元的評価の障壁に難渋した。2022年度に下記3を活用し三次元的解析方法を模索することで限界点の打破を試みた。2023年度も、AIによる画像評価を活用した三次元的解析を継続する予定である。 1.気道診察時における従来の気道管理予測法である下顎の大きさや開口度と、体外からの赤外線イメージングによる気道評価の関連を評価した。視野改善度の評価は、画像解析ソフトを用い、数値的評価を目指しているが二次元的評価だけでなく三次元的評価の構築を目指している。 2.今年度、昨年度で行った気道管理モデルと同様に、気管入口部である声門視認度の指標であるCormack分類やPOGOスコアに加え、気道確保者による主観的な難易度評価も行った。ただし、これに関しても主観評価であるためばらつきが大きく、換気量などの客観指標を導入している。2020年度から計画している困難気道管理困難モデルでの評価は順調である。 3.海外研究的には、AIによる画像評価が行われている。ゆえに、長軸・短軸方向同時アプローチによる3次元的な情報に統合して気道管理に役立てるという評価法を課題の解決として今後の研究展開につなげる予定である。
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