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2019 年度 実績報告書

アンチセンス医薬の毒性回避を目指した新規自然免疫活性化経路の同定と評価法開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K18419
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

吉田 徳幸  国立医薬品食品衛生研究所, 遺伝子医薬部, 主任研究官 (00649387)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードアンチセンス / 自然免疫活性化 / TLR9非依存的経路
研究実績の概要

近年、核酸医薬品の1種であるアンチセンス医薬の開発が目覚ましい進展を遂げており、既に5品目が上市されるなど高い有用性が認められている。一方で、安全性に関しては、ヒトでの臨床試験で自然免疫活性化が要因と考えられる有害事象が認められ開発中止となった品目が存在するなど、多くの問題点がある。アンチセンス医薬品による自然免疫活性化は、Toll様受容体9(TLR9)を介すると考えられてきた。しかし、既存のTLR9活性化を指標とした評価法で確認されているにも関わらず、複数の開発品が臨床試験において自然免疫活性化が要因で開発中止となっている。本事実を受け代表者はこれまで、アンチセンスを認識するTLR9非依存的な経路が存在し自然免疫系の活性化に寄与していることを実験的に示し、TLR9非依存的経路に関する評価法を構築する必要性を示した。
そこで本研究では、アンチセンスによるTLR9非依存的経路を介した自然免疫活性化の機序を解明し、TLR9非依存的な自然免疫活性化の評価法を構築することを目的とする。具体的には、TLR9非依存的経路でアンチセンスを認識する核酸認識受容体を同定し、評価法として当該受容体の活性を簡便・簡潔に評価可能な評価用細胞株を作成する。本手法の構築により、開発段階でヒトでのアンチセンスによる自然免疫活性化に起因した有害事象の予測確率が向上し、アンチセンス開発の迅速化・効率化の向上に繋がると考えられる。当該年度は、TLR9非依存経路を介した自然免疫活性化の評価系で用いる細胞種を選別するための解析を行った。具体的には、複数種類のヒト免疫系細胞由来の細胞株にアンチセンスを作用させ、前年度の検証で同定した評価指標の候補となるサイトカインの産生を遺伝子レベルで解析した。本解析から、アンチセンスによるTLR9非依存的な自然免疫活性化で用いる責任細胞種を絞り込むことができた。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 核酸医薬品に含まれる不純物の考え方2020

    • 著者名/発表者名
      関口光明,齊藤隼,滝口直美,製薬協核酸医薬品質評価タスクフォース,伊藤浩介,吉田徳幸,小比賀聡,井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 51 ページ: 11-21

  • [雑誌論文] 核酸医薬開発の現状と安全性評価の考え方 -オフターゲット効果の評価法に関する考察-2020

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 井上貴雄
    • 雑誌名

      PharmStage

      巻: 19 ページ: 1-14

  • [雑誌論文] 既承認核酸医薬品の審査報告書を読み解く2020

    • 著者名/発表者名
      木下潔, 中澤隆弘, 真木一茂, 三井田宏明, 荒戸照世, 平林容子, 吉田徳幸, 井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 51 ページ: 70-82

  • [雑誌論文] 核酸医薬品の品質評価に関する考え方-仮想核酸医薬品をモデルとして-2020

    • 著者名/発表者名
      滝口直美,伊藤浩介,小林夏季,溝口潤一,製薬協核酸医薬品質評価タスクフォース,南海浩一,廣瀬賢治,笛木 修,佐藤秀昭,吉田徳幸,小比賀 聡,井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 51 ページ: 145-153

  • [雑誌論文] mRNA医薬品の品質・安全性評価の考え方2019

    • 著者名/発表者名
      荒戸照世,位髙啓史,秋永士朗,佐藤秀昭,山口照英,真木一茂,内田恵理子,吉田徳幸,井上貴雄
    • 雑誌名

      医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

      巻: 50 ページ: 300-306

  • [雑誌論文] Evaluation of off-target effects of gapmer antisense oligonucleotides using human cells2019

    • 著者名/発表者名
      Yoshida T, Naito Y, Yasuhara H, Sasaki K, Kawaji H, Kawai J, Naito M, Okuda H, Obika S, Inoue T
    • 雑誌名

      Gene to Cells

      巻: 24 ページ: 827-835

    • DOI

      10.1111/gtc.12730

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] アンチセンス医薬のオフターゲット効果の評価法2019

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸
    • 学会等名
      日本核酸医薬学会若手シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 1本鎖オリゴ核酸による自然免疫活性化に対するの種差に関するの検討2019

    • 著者名/発表者名
      山本誠司,堀内祥行,吉田徳幸,内藤幹彦,小比賀聡,井上貴雄
    • 学会等名
      日本核酸医薬学会第5回年会
  • [学会発表] アンチセンス医薬の不純物が遺伝子発現に与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸,佐々木澄美,内藤幹彦,小比賀聡,井上貴雄
    • 学会等名
      日本核酸医薬学会第5回年会
  • [学会発表] アンチセンス医薬のオフターゲット効果の評価法に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸,佐々木澄美,内藤幹彦,小比賀聡,井上貴雄
    • 学会等名
      第11回日本RNAi研究会
  • [学会発表] アンチセンス医薬のオフターゲット効果の評価法に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 佐々木澄美, 内藤幹彦, 小比賀聡, 井上貴雄
    • 学会等名
      第9回レギュラトリーサイエンス学会学術集会
  • [図書] 医薬品開発における中分子領域(核酸医薬・ペプチド医薬品)における開発戦略(第2章 核酸医薬品の創薬開発におけるポイント 第4節 核酸医薬品の規制整備に向けた取り組み)2019

    • 著者名/発表者名
      吉田徳幸, 井上貴雄
    • 総ページ数
      206(8)
    • 出版者
      情報機構
    • ISBN
      978-4-86502-176-9

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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