研究課題/領域番号 |
18K18452
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井上 治久 京都大学, iPS細胞研究所, 教授 (70332327)
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研究分担者 |
近藤 孝之 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点講師 (80536566)
矢田 祐一郎 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, 特別研究員 (80805797)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | deep learning / 神経変性 |
研究実績の概要 |
神経細胞が機能障害から細胞死に至る神経変性疾患では、神経細胞が神経細胞死により消失してしまう以前の治療法開発のために、早期病変の病態の解明が必要である。神経変性疾患患者より作製した人工多能性幹細胞 (induced Pluripotent Stem cell; iPS細胞)から作製した神経細胞を用いたin vitroの疾患モデルは、病態解明や創薬研究に利用されているが、これらのモデルにおいては、神経細胞死に伴う神経細胞の明らかな形態異常が出現する以前の、超早期病変は、通常の画像解析方法では検出できない。iPS細胞を用いたin vitroの疾患モデルでは、神経細胞の誕生から細胞死までを、画像情報として入手できる利点があり、本研究では、神経変性疾患患者から樹立したiPS細胞を用いて神経細胞を作製し、神経細胞から得られる膨大な画像情報を収集する。この情報を数千次元の解析が可能なdeep learningで学習することで、通常の解析では検出できない超早期の病的変化の同定を試みる。 一昨年度は、iPS細胞を用いて作製した神経細胞細胞画像をdeep learningによる識別の対象とした。この実験の中ではその神経細胞が神経細胞死を生じるのか、生じないのかヒトの眼では予測できないが、deep learningにより、あらかじめ画像を学習しておくことにより、新たな画像の神経細胞死予測確率に関するパイロット実験を行い、予想に近い結果を得た。本年度は、検体数を増やして、実施し、パイロット実験とほぼ同様の結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年計画の2年目までの予定していた通りの進捗があったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、本年度の結果を元に、さらに異なる細胞種でも、本実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の実験は、予想のスコアの結果であった。一方で、細胞種を増やして実施する本年度は、ばらつきなどが増え、当初の予想以上の検体数が必要の可能性があった。そこで研究費の配分を変更した。
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