研究課題
本研究の目的は、高齢者を対象とした長期縦断研究の成果を利用し、追加のデータを収集するとともに、加齢は様々な資源の低下が生じるだけでなく同時にその低下を補うプロセスが発達すると考える「喪失と補償モデル」を援用した新たな健康モデルと、評価法を確立を目指すことである。本年度は、申請者が研究代表である高齢者を対象とした長期縦断調査(SONIC研究Septuagenarians, Octogenarians, Nonagenarians Investigation with Centenarians)の継続と、2012年、2015年および2018年に収集した90歳高齢者総計807名のデータの整理と統合の作業を進めた。一部の変数に関しては統合が完了していないが、ほぼ必要なデータが収集された。また同時に90歳のデータから年齢標準データを作成するために、要介護認定に関する地方自治体および全国データを収集し、807名のデータとともに、郵送調査に参加した4134名のデータを比較した。その結果、807名の調査参加者は、一般の90歳高齢者よりも健康状態は高いが、郵送調査の参加者の健康状態は、一般高齢者と類似しており、本研究で検証されたモデルを一般化できる可能性が確認された。また、郵送調査の回答は、自身が回答した場合と代筆者が回答した場合で主観的健康観の高さ異なるため利用する場合は調整変数としてADLレベルを同時に使用することが必要であることが示唆された。
4: 遅れている
2018年度に予定していてた調査が、2度の台風のために延期になりデータ収集に送れが生じた。そのために、予定していたデータ整理、分析補助者の確保が困難になり、その後のデータ分析の予定に遅れが出た。その結果、研究代表者が体調を崩し、1月以上の静養が必要とされ、プロジェクトの様々な側面で当初計画していた予定よりも遅れが出ている。
今年度、2018年に収集した90歳のデータ(262名の整理が一部の変数を除きほぼ完了した。今年度はすでに完成している90歳のデータ(545名)と連結し、総計807名のデータを用い概念モデルの検証を行う。検証する概念モデルは、精神的充足と身体的充足という健康の構成要因が、心理的、社会的、身体的な資源によって規定されること。それらの資源の低下が相補的に補償されていれば、加齢に伴う低下が生じても健康が維持されるとする2層からなるモデルである。
2018年度に予定していてた調査が、2度の台風のために延期になりデータ収集に送れが生じた。そのために、予定していたデータ整理、分析補助者の確保が困難になり、その後のデータ分析の予定に遅れが出た。その結果、研究代表者が体調を崩し、1月以上の静養が必要とされ、プロジェクトの様々な側面で当初計画していた予定よりも遅れが出ているため。
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