本研究では、SONIC調査参加者のデータを用いて、90歳以上の超高齢者を含めたあらたな健康のモデルの提案を行った。はじめに、Rowe&Kahnのサクセスフルエイジングモデルを70歳ではなく、90歳のデータを用いてカットオフポイントを設定した場合、健康といえる群と群と健康とは言えない群の間で主観的健康感および、精神的健康で若干の低下は生じるが、年齢が高い群ほど低いという結果は得られなかった。また、精神的健康の低下に影響する諸機能の低下を補う心理的な要因として老年的超越が年齢が高いほど機能していることが分かった。この結果は、超高齢期における健康に関して心理的適応の重要さを示唆するものであった。
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