研究課題/領域番号 |
18K18464
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
永坂 岳司 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30452569)
|
研究分担者 |
山口 佳之 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10230377)
楳田 祐三 岡山大学, 大学病院, 講師 (10573735)
堅田 洋佑 川崎医科大学, 医学部, 助教 (20716881)
母里 淑子 岡山大学, 大学病院, 助教 (70708081)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
キーワード | 超高齢社会研究 / 腫瘍検査学 / 検査・診断システム / 生体情報・計測 / 健康情報 |
研究実績の概要 |
消化器癌の早期発見には便中の腫瘍由来DNAを検出することが最適である。消化器癌の中でも膵癌は年齢が上がるにつれ発生率が増加する全癌腫の中で最も予後不良な癌種である。超高齢化社会である日本でも、その罹患率は増加傾向を示しており、本疾患に対する早期発見ツールの開発は癌治療に福音を与える。膵癌を含めた消化器癌や腺癌は術後補助化学療法やアスピリンにより術後再発率が減少する。この事実は、画像上で診断可能となる前の微小癌状態ならば、Chemopreventionを行うことで、ある程度の膵癌・消化器癌の治癒が可能であることを示唆する。本研究では、便中の腫瘍特異的メチル化DNA陽性と微小癌の存在の相関関係を証明し、そのメチル化DNAを指標としたChemopreventionの個別化と標準化を目指した先制医療 (Preemptive Medicine) の構築を試みる。本研究にて解析を行う検体は、①消化器癌患者の便検体、②非担癌患者の便検体、の2セットを用いる。重要なのは、それら便検体提供者のフォローアップ臨床データである。特に、②非担癌患者の便検体は、その後に何らかの消化器癌を発症している患者も認めることが予測され、その追跡は重要である。研究代表者らはすでに、患者から同意を得て1,414例の便検体を収集凍結保存しており、特に膵癌に関しては、現在のところ89例の便検体を保存さしている。2019年度までに便検体の解析を鋭意行っており、また、便検体提供者のフォローアップデータを収集しデータ統合を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
便検体を収集した1414例のほとんどが時期をずらして収集した4便検体ずつ保存しており、これら便検体の解析は2019年にはかなり進んだ。 ただ、臨床データとの照合を急ぐため、各症例につき1~2便検体の解析を優先した。このため、全便検体の解析終了までには至っていない。 尚、便検体の臨床データの収集とフォローアップも本年度中に終了している。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は臨床データと便検体解析データの照合を行う。 それに合わせ、全便検体の解析を行い、時系列に沿った解析をも試みる。 診断システムは、永坂(代表)がPXGBoostを用い構築を行っている。 本年度は、データマイニングと診断システムのブラッシュアップを行い、論文化および、可能なら特許取得を目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
解析予定便検体は4000を超えるが、1症例4検体を収集しており、全部を解析する前に、まず、参加症例1400例の1検体を2019年度までに、行い、臨床データと照合することを優先した。現在2000便検体の解析は終了しているが、もともとの予定では4000検体を2019年度に終了する予定であったため、この未解析分の費用に齟齬が生じたためである。本年度は、予定通り、全検体の解析を終了し、時系列も併せて、臨床データとの照合を行い、便検体から膵癌スクリーニング技術の確立を行う。
|