研究課題
本研究の目的は,2009-11年に調査(MMSE,論理記憶,CDR,FAB,宗教観,生活満足度,唾液・血液採取,および,頭部MRI撮像を採取)に参加した伊万里市黒川町在住の高齢者を対象として,来世信念が健康にどのような影響を与えるのかを横断・縦断的に調べることである.特に今回は,愛着の機序が来世信念の脳内基盤として働いている可能性を検討する.2016-17年の調査で施行した愛着スタイルの調査に加え,死者との関係を家庭の仏壇を介してみた愛着機能の調査,および共感性を測る調査を追加した.認知機能の評価等の心理検査はほぼ従来通りである.現地での調査を2019年2月より開始し,2020年3月までに69名が終了した.しかし,それ以降は新型コロナウィルス感染拡大のために調査ができなくなり,2022年度まで研究期間を延長したが,結局再開は叶わなかった.また,伊万里市の協力病院のMRIスキャナが機種変更となり,MRI画像データに関して過去と今回の照合が困難になったため,調査は終了することにした.本研究とは別に我々の研究グループは,2021年5月~11月に黒川町の高齢者を対象に新型コロナウィルス蔓延におけるストレスの調査を自宅訪問することによって行い,上記の愛着および来世信念に関する質問紙のみ,参加者の一部(49名)に施行した.本研究の主要な測度であるCDR,MRI撮像,および,血液採取はできなかったが,その調査でも唾液採取だけはできたため,本研究の唾液サンプルと合わせオキシトシン測定を行った.また,質問紙データは本研究の分析の一部に加えることができた.最後に,2007-2020年に同一MRIスキャナで採取した頭部MRI画像755名分(うち102名は縦断処理を加えたもの)について前処理をアラヤ(東京)に発注し,3月に完了した.
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Compr Psychoneuroendocrinol
巻: 13 ページ: 100166
10.1016/j.cpnec.2022.100166
Psychiatry Res
巻: 313 ページ: 114636
10.1016/j.psychres.2022.114636
BMC Geriatr
巻: 22 ページ: 765
10.1186/s12877-022-03455-z