研究課題/領域番号 |
18K18485
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藍谷 鋼一郎 九州大学, 人間環境学研究院, 学術共同研究員 (50567336)
|
研究分担者 |
末廣 香織 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (80264092)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
キーワード | アーバン・カタリスト / 都市再生 / 都市改造 / オリンピック |
研究実績の概要 |
1.スペインにおけるビルバオの自治体に対するヒヤリング調査の実施:ビルバオの都市再生について、ビルバオ市都市局に対するヒヤリング調査を実施し、都市再生に関する戦略、再生効果における最新情報を入手した。現地調査において収集した建設方法、運営方法、都市再生効果について、分析をおこなうとともに、内容については、欧州におけるS.ARCH. (Sustainable Architecture) による国際会議で発表し、Proceedingsに掲載済みである。 2.国内におけるアートを起爆剤とする都市再生に関する事例として、福武財団が推進する直島、犬島、豊島などにおける一連のアートおよび建築を媒介としたインターベンションについて、現地調査や関係機関とのヒヤリング調査を実施し、計画組織の位置付けや構成の特徴と都市および地域と連携についての意識や活動実態について把握した。内容については、欧州における全欧建築教育機関EAAEと国際建築研究機構ARCCの共同による国際会議で発表(予定)し、Proceedingsに掲載済みである。 3.米国メリーランド州ボルティモア・インナーハーバー再開発におけるヒヤリング調査の実施およびに関する資料の収集:行政機関として企画・運営に従事したジェイ・ブロディ氏と民間の設計事務所・会長としてボルティモアの開発に従事したホラルド・アダムズ氏に対するヒヤリング調査を実施し、都市計画関連資料の収集をおこなった。 4.オーストラリアにおけるオリンピック・レガシーとしてのメルボルン・スポーツ・パークとシドニー・オリンピック・パークに対するヒヤリング調査の実施:都市再生に関する戦略、再生効果における最新情報を入手した。現地調査において収集した建設方法、運営方法、都市再生効果について、分析をおこなう。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度(令和2年3月31日まで)における研究実績は、以下のとおりである。 1.オリンピックを契機とした都市改造について、バルセロナ市都市局、都市再生機構に対するヒヤリング調査を実施し、都市改造の変遷における情報を入手した。さらに、ビルバオの都市再生について、ビルバオ市都市局に対するヒヤリング調査を実施し、都市再生に関する戦略、再生効果における最新情報を入手した。欧州におけるS.ARCH.による国際会議で発表し、Proceedingsに掲載済みである。 2.米国テキサス州におけるヒヤリング調査の実施およびに関する資料の収集:設計を担当したOBJ Landscape Architectureおよび、運営者のWoodall Rodgers Park Foundationに対するヒヤリング調査を実施し、都市計画関連資料の収集をおこなった。現地調査において収集した建設方法、運営方法、都市再生効果について、分析をおこなうとともに、環境配慮に関する大学の方針や取組みについて明らかにした。なお、内容については、全米における建築教育機関ACSAにおける国際会議で発表し、Proceedingsに掲載済みである。 3.国内のアートを起爆剤とする都市再生に関する調査(現地調査と再生に関するメカニズムを明らかにするための情報収集および分析):国内におけるアートを起爆剤とする都市再生に関する事例として、福武財団が推進する直島、犬島、豊島などにおける一連のアートおよび建築を媒介としたインターベンションについて、現地調査や関係機関とのヒヤリング調査を実施し、計画組織の位置付けや構成の特徴と都市および地域と連携についての意識や活動実態について把握した。欧州における全欧建築教育機関EAAE と国際建築研究機構ARCCの共同による国際会議で発表(予定)し、Proceedingsに掲載済みである。
|
今後の研究の推進方策 |
1.ノルウェーにおけるオスロ市およびドイツにおけるハンブルグ市の自治体に対するヒヤリング調査の実施。さらに、現地調査を実施し、都市再生に関する戦略、再生効果における最新情報を入手する。※2020年5-8月に現地調査を予定しているが、コロナ・ウィルスの感染拡大により、渡航が困難になっている。 2.ブラジルにおけるリオ・デ・ジャネイロ市の自治体に対するヒヤリング調査の実施。オリンピックを契機とした都市改造について、リオ・デ・ジャネイロ市都市局、都市再生機構に対するヒヤリング調査を実施し、都市改造の変遷における情報を入手する。さらに、現地調査を実施し、都市再生に関する戦略、再生効果における最新情報を入手する。 ※2021年2-3月に現地調査を予定しているが、コロナ・ウィルスの感染拡大により、渡航が困難になる可能性がある。 3.一昨年度から昨年度に収集した研究資料の分析。スペイン・バルセロナにおけるオリンピックを契機とした都市改造、同様にシドニー、メルボルンの事例、また、ビルバオにおける文化施設をカタリストとした都市再生、同様にノルウェー、ハンブルグ、リオ・デ・ジャネイロの事例、直島・犬島・豊島の事例に関して収集した情報を分析することで都市再生の兆候やメカニズムを明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究責任者の研究機関における出張時に、昨年度に実施予定であったヒヤリング調査や現地調査を一部実施することができ、海外調査費および国内調査費の使用を抑えることができた。そのため、今年度、前回の調査により得た情報をもとに分析を進め、そこで浮き上がった課題を追求するために再び、関係機関でのヒヤリング調査、および現地調査を予定している。しかし、未曽有のコロナ・ウィルスによる感染爆発により、世界的に国境封鎖、渡航制限が出ており、4月以降の現地調査遂行に支障が出始めている。
|