令和二年度の研究計画は世界中に蔓延したCOVID-19の影響により、ほぼ世界中の都市が2020年3月からロックダウン、厳しい渡航制限を行った。そのため計画していた海外調査(ノルウェーにおけるオスロ市およびドイツにおけるハンブルグ市の自治体に対するヒヤリング調査や現地調査)は実施が不可能となり中止(延期)することを余儀なくされた。研究期間を一年延長し、令和三年度に中止になった海外調査の実施に向けて準備をしていたが、渡航制限の緩和は見られず、年度内の調査を再度断念せざるを得なかった。さらに最終年度に予定していたブラジルにおけるリオ・デ・ジャネイロ市の自治体に対するヒヤリング調査の実施においても、全く回復の見込みが見られないため、年度内の調査を断念せざるを得なかった。 一方、日本入国後2週間の自主隔離を行うことで日本への渡航が可能となった。そのため、日本全土において、緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が実施され、自由な調査とはいかないものに、延期になっていた直島、豊島、犬島における一連の追跡調査を実施することができた。幸いアメリカ国内においては、移動制限が緩和されつつあり、研究対象として、ネバダ州ラスベガスのIR(インテグレーテッドリゾート(IR/統合型リゾート))を追加して、その特徴と波及効果についてヒヤリング調査や現地調査を行った。誠に遺憾ではあるが、依然としてCOVID-19による影響は大きく世界的な渡航規制は厳しいため、旅費として確保していた予算を備品などの購入に変更し、令和四年度以降のアフターコロナに向けて、新しい研究費の獲得を目指すと共に、事業期間中の計画を大幅に縮小した。
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