研究課題
本プロジェクトは東アジア諸言語(日本語東京方言、中国語普通話、台湾語)の声調、ピッチアクセントに関する規則的な連声現象(tone/accent sandhi)の 様々な事例から得られる、多様な音韻規則間の相違を最大限利用した事象関連電位測定実験を行うことを全体の目的としている。2021年度は、2020年度に続き、新型コロナウイルス感染拡大のなか、予定していた日本語および台湾語の脳波計測実験を進めることが困難となり、計画の大部分が延期となった。この状況を踏まえ昨年度に続き、すでにデータ収集を終えていた日本語東京方言、台湾語の実験データの分析もしくは再分析を行うと同時に、年度前半は昨年9月の国際学会で発表した内容を元に、論文執筆に注力した(Hirose et al. 2022,として、国際学術誌Japanese and Korean Linguistics vol. 28に掲載)。日本語東京方言のアクセントにかかわる実験については、データを再解析し、検定力について精査した結果(陳ら2022として口頭発表)、サンプル数を増やす必要があると判断し、同一のプロトコルでさらに実験を行うこととした。実験概要について事前登録(pre-registration)を行った上で、2-3月(関東地方で感染拡大が比較的おさまっていた時期)に対面による事象関連電位計測実験を行った。また、3月には、毎年の恒例企画となっている国立台湾大学との共同ワークショップ(NTU-UT Linguistic Festa 2022)をオンラインにて開催し、活発な議論および情報交換を行った。
3: やや遅れている
新型コロナウイルスの感染拡大により当初の計画には大きな変更を余儀なくされたが、既存のデータの分析・再検討および成果発表にリソースを振り向け、できる範囲で研究を進展させた。ただ、対面実験の実施が年度末となったため、その結果の分析を翌年度に持ち越さざるを得なくなったため研究期間延長を申請した。
対面実験を昨年度末に実施できたので、今年度はその結果を分析し、成果を国内外の研究集会で公表することに注力する。
新型コロナウィルス感染拡大のため、実験実施が大幅に遅れ、2021年度中に実施する予定であった実験結果の分析、成果報告を年度中に行うことができなかった。2022年2-3月にようやく実験を実施できたので、2022年度中にその結果の分析を行い、成果を国内外の研究集会等で公表していく予定である。
すべて 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Journal of Psycholinguistic Research
巻: 2022 ページ: -
10.1007/s10936-022-09843-1
Japanese/Korean Linguistics
巻: 28 ページ: 333_344
言語情報科学
巻: 20 ページ: 37_53
10.15083/0002003787
Language and Information Sciences
巻: 20 ページ: 1_17
10.15083/0002003785