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2020 年度 実績報告書

第二次世界大戦後オーストリアの「文化国家」形成における文学の機能についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K18501
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

前田 佳一  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (70734911)

研究分担者 日名 淳裕  成城大学, 法学部, 准教授 (40757283)
杉山 有紀子  慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 講師 (70795450)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードオーストリア文学
研究実績の概要

本研究では2020年度も引き続き、1945年から1960年代までオーストリアが「文化国家」として復興していくに際して文学がいかなる役割を果たしたのかについて,本研究はA.「『オーストリア』イデオロギーの残存」、B.「『暗い時代』の文化状況の残存、C.「冷戦下の文化をめぐる闘争」 、D.「新世代と旧世代のせめぎ合い」、E.「女性作家の台頭」という五つの観点から、主に首都ウィーンと,独自の文化的状況が存在した地方都市ザルツブルクの両都市を比較しつつ考察した。
資料調査、研究発信の方法はコロナ禍という状況ゆえに著しく制限されたため、既に収集した資料を分析するとともにZoomによる一般公開コロキウムを通じての口頭発表と論文発表に集中した。また、2020年度より始まった、本研究課題を発展させた科研費プロジェクト(JP20H01247)と連携させつつ進めた。
個別の成果としては、女性作家インゲボルク・バッハマンと1940-50年代のウィーン文壇との関連についてまとめた論文、バッハマン文学における「故郷」像を扱った論文、ゲアハルト・フリッチュにおける断片性の詩学についてまとめた論文、戦後オーストリアにおけるオーストリア・イデオロギーをめぐる言説について扱った口頭発表(以上前田)、シュテファン・ツヴァイクにおける「故郷」像を扱った論文、ツヴァイクの戦後における受容について扱った口頭発表(以上杉山)、トラークルの詩とその戦後の受容について扱った論文、ヴァインヘーバーの詩作における「オーストリア的なもの」のモチーフについて扱った口頭発表、イルゼ・アイヒンガーの詩作における「錆」の主題について扱った口頭発表(以上日名)等がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Autorschaft einer jungen Dichterin - Ingeborg Bachmann und die Literaturszene im Wien der Nachkriegszeit2020

    • 著者名/発表者名
      前田佳一
    • 雑誌名

      オーストリア文学

      巻: 36 ページ: 1-12

    • 査読あり
  • [雑誌論文] インゲボルク・バッハマンのオーストリア表象ー『湖への三つの道』を中心に2020

    • 著者名/発表者名
      前田佳一
    • 雑誌名

      日本独文学会研究叢書

      巻: 141 ページ: 60-73

  • [雑誌論文] オーストリア文学の故郷表象をめぐる序論2020

    • 著者名/発表者名
      前田佳一
    • 雑誌名

      日本独文学会研究叢書

      巻: 141 ページ: 2-5

  • [雑誌論文] 損傷した物語-ゲアハルト・フリッチュ『ファッシング』における断片性の詩学2020

    • 著者名/発表者名
      前田佳一
    • 雑誌名

      詩・言語

      巻: 88 ページ: 87-99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ...dieses kleine Land, zufaellig mein Heimatland“ ―シュテファン・ツヴァイク『昨日の世界』における「故郷」としての オーストリア2020

    • 著者名/発表者名
      杉山有紀子
    • 雑誌名

      日本独文学会研究叢書

      巻: 141 ページ: 47-59

  • [雑誌論文] ゲオルク・トラークル「最後の詩」における祖国の死と故郷 の再生2020

    • 著者名/発表者名
      日名淳裕
    • 雑誌名

      日本独文学会研究叢書

      巻: 141 ページ: 6-19

  • [学会発表] 1945年以後のオーストリア文学における「オーストリア的なるもの」の象徴化と神話化2020

    • 著者名/発表者名
      前田佳一
    • 学会等名
      戦後オーストリア文学研究会コロキウム
  • [学会発表] 1945~50年のオーストリア文学におけるシュテファン・ツヴァイク受容 ーPersona non grataから「昨日の世界の作家」へー2020

    • 著者名/発表者名
      杉山有紀子
    • 学会等名
      戦後オーストリア文学研究会コロキウム
  • [学会発表] ヨーゼフ・ヴァインヘーバー『ここに言葉がある』における「オーストリア的なるもの」2020

    • 著者名/発表者名
      日名淳裕
    • 学会等名
      戦後オーストリア文学研究会コロキウム
  • [学会発表] イルゼ・アイヒンガー『贈られた助言』における「錆」の主題2020

    • 著者名/発表者名
      日名淳裕
    • 学会等名
      日本独文学会関東支部研究発表会

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公開日: 2021-12-27  

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