研究課題
日本の大学図書館において、オープンデータ環境がどの程度整備されているかを把握するため、国立大学図書館86館を対象に貴重書等のデジタルコレクションの公開の有無とオープン性を調査した。国際的なデータの流通という観点から、英語のページがどの程度提供されているかも調査した。その結果、57%の図書館でデジタルコレクションが提供されていた。デジタルコレクションがある49館のうち、制限なく利用ができるのが全体の8.2%であった。英語での情報提供は、ホームページやメタデータに関しては27%から35%程度で入手可能または一部入手可能であったが、ポリシーでは15%程度にとどまった。デジタルコレクションを介したデータのオープン化の国際化に関しては課題があることがわかった。また、この結果と昨年度調査したインドネシアの大学図書館の状況とを比較し、国際的なデジタルヒューマニティーズに貢献するデータのオープン化の在り方を検討した。また、オープンデータの現状把握として、研究に使用されているデータへのアクセス性を確認するために、既存論文のレファレンスに記載されたURLを分析し、データ共有の経年変化やアクセス性がどの程度保持されているかを分析した。Scopusから、2012年から2021年に発表された人文科学系の論文を対象に、引用数の多い方から年ごとに各2,000件の論文の書誌情報を収集し、Referenceセクション情報として収録されているテキストからURL及びDOI表記を抽出し集計した。DOIの明記が進み情報へのアクセス性は高まっているが、URLはその半数が無効になっていることが明らかになった。データのオープン化の効果やオープン化を促進するための体制づくりを議論するための国際シンポジウム「大学における研究データ管理の意義と支援人材育成」を企画、開催した。
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In: Goh, D.H., Chen, SJ., Tuarob, S. (eds) Leveraging Generative Intelligence in Digital Libraries: Towards Human-Machine Collaboration.
巻: 14458 ページ: 123~138
10.1007/978-981-99-8088-8_11