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2021 年度 実施状況報告書

創始者原理の視点から見たアメリカ英語の影響力と言語変化

研究課題

研究課題/領域番号 18K18511
研究機関北九州市立大学

研究代表者

平野 圭子  北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (60341286)

研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2023-03-31
キーワードアングロフォンコミュニティ / 言語変化 / 創始者原理
研究実績の概要

本研究は日本のアングロフォン(英語母語話者)コミュニティで観察される英語の言語変化と新たな方言形成を調査し、日本の政治経済や教育面において強い影響力を持ち、かつ国内の英語母語話者の数では圧倒的多数を占めるアメリカの英語バラエティが、言語レベルにおいてどのような影響力を持つか考察する。方言接触状況下で新方言が形成される過程の一般的な原則とされる「創始者原理」(Mufwene 1996, 2001)の観点から、日本のアングロフォンコミュニティ内の言語変化を検証することを目的とする。
本研究では言語変化を調べるため異なる時期に収集した2つのデータを比較する「実時間調査」方法を採用する。申請者が2000年に英語母語話者から来日直後に収集した自然談話の言語コーパス【第1言語データ】と、来日後10年以上経過した英語母語話者から収集した自然談話の言語コーパス【第2言語データ】の言語的特徴を比較し、言語変化の進み具合や方向を明らかにする。
2018年度より2019年度にかけて言語データ収集に必要な準備を行ったうえで、来日後10年以上経過した複数のアメリカ人とイギリス人から出身国の同じ話者同士の自然談話を録音し、同時に単語リスト読み上げの録音データも各話者から収集した。収集された録音データについては自然談話の書き起こし作業、言語コーパス作成を行った。さらに作成された言語コーパスより分析対象使用例を抽出し、言語内的要因、話者の社会的要因をすべてコード化し、全使用例とともに統計解析ソフトSPSSのデータファイルに入力した。
2020年度から2021年度にかけては国内における新型コロナウィルス感染拡大のため、データ収集と研究補助者に依頼予定だったデータ分析について作業を一時中断している。計画通りに研究を進めることは叶わなかったが、一部データ分析を行い、オンライン開催の国際学会で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染拡大により、言語データ収集やそれに続く作業を一時的に中断しているため、予定していた言語データの収集・分析が完了していない。収集済みのデータ分析については一部分析を終えているが、未収集の言語データも含めて引き続きデータ分析や統計解析を行う必要がある。

今後の研究の推進方策

2022年度は新型コロナウィルス感染予防のため中断しているデータ収集を再開し、アングロフォンコミュニティ内の英語母語話者から引き続き言語データの収集を行う予定である。その後自然談話の書き起こし作業、言語コーパス作成、分析対象使用例の抽出、言語内的要因・話者の社会的要因のコード化、統計解析ソフトSPSSデータファイルへの入力作業を行う。2000年に収集された【第1言語データ】と本研究で収集された【第2言語データ】から抽出・入力されたデータをもとに統計用ソフトを利用して統計解析を行い、日本在住アメリカ人の英語のバリエーションと変化を検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大により言語データ収集を中断せざるを得なかったことで、被験者への謝金、自然談話の書き起こし費用、研究補助者に対する謝金の支払い分が予定金額に達しなかった。また成果発表を予定していた海外の学会が延期やオンライン開催になったことで、大半の旅費が未使用となった。未使用分は2022年度の旅費、データ収集・整理関連費用に使用予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 長期的方言接触による言語変化―日本の英語話者による文法的変化―2022

    • 著者名/発表者名
      平野圭子
    • 雑誌名

      社会言語科学会『第46回大会発表論文集』

      巻: 46 ページ: 126-129

  • [学会発表] 長期的方言接触による言語変化―日本の英語話者による文法的変化―2022

    • 著者名/発表者名
      平野圭子
    • 学会等名
      第46回社会言語科学会大会
  • [学会発表] Grammatical variation of American Expatriates in a multinational Anglophone community in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Keiko Hirano
    • 学会等名
      The 6th Conference of the International Society for the Linguistics of English
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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