日本には世界中の様々な英語圏から英語母語話者が研究や教育、勉強の目的で来日し、現在約15万人以上の英語母語話者が滞在中である。その中で最も多いのがアメリカ人滞在者であるが、本調査では政治経済や教育面で大きな影響力を持つアメリカが言語面における影響力は必ずしも強くないことを立証した。本研究は日本の英語母語話者による英語方言接触状況下においては、アメリカ英語が他の英語バラエティに対して優位にあるわけではないことを示し、英語が公用語として用いられる英語圏ではなく外国語として使用される「拡大サークル」地域に属する日本における英語バラエティの優劣関係や今後の言語変化の方向性を示唆した。
|