研究課題/領域番号 |
18K18513
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 専任教授 (70330008)
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研究分担者 |
宮脇 正晴 立命館大学, 法学部, 教授 (70368017)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 商標 / 枯渇 / 法言語学 / 大量データ解析 |
研究実績の概要 |
2018年度は研究開始年度であり、実際の分析を開始するためのデータの収集およびデータベースの構築を中心に活動を行なった。研究代表者の堀田と研究分担者の宮脇とは、当初の予定よりも頻繁に、7月、8月、9月、11月、12月と京都と東京で打ち合わせを行い、データ収集の方法、現象の基礎的分析の方法などについて議論した。また、9月には商標の枯渇という現象に造詣が深い東京大学の小林氏を招いて研究会を開き、商標の枯渇に関する海外の研究動向について知見を提供していただいた。また、一橋大学の井上教授が主宰している産学連携による商標の研究会に研究代表者および研究分担者で参画することで、当該問題に関するさまざまな知見を得ることができた。当研究課題を遂行するにあたっても最も重要な位置を占める商標の使用状況に関するデータについては、当初は特許庁が提供しているWEB上のデータを利用し、アルバイトを使って収集していたが、急遽、研究分担者の宮脇の努力により、特許庁より出願・登録済みの商標の包括的なデータの提供を受けることが可能になったため、アルバイトを用いた作業を中止し、そちらを利用することにした。特許庁の大量データを活用できることになったため、大量データ解析を得意とする一般企業に協力を仰ぎ、より効率よく大量データを使った調査を行うためのインターフェスを開発してもらうことになった。これにより、次年度以降、本格的に分析ができる土壌が整ったと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2018年度は、5度にわたる打ち合わせで、研究分担者との連携も十分に取れ、当研究課題を遂行するにあたって最も重要となる商標の使用状況を調査するためのデータベースも確保できた。本来はアルバイトを使って手作業で数年にわたってデータを収集していく予定であったが、研究分担者・宮脇の尽力によって特許庁が保有する包括的なデータを提供してもらえることになったために、当初予定したデータ収集の作業が不要となり、当初の研究計画よりも大幅に進んでいると言える。また、データ分析の効率化を図るために、企業の協力も得てインターフェスの開発も進行中である。これにより、2019年度以降に本格的に分析を開始するための土台が整ったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、企業からインターフェスが届き次第、実際の状況についてのデータ解析を始める。同時に関連文献の調査、および当該問題について世界的に注目する研究を展開しているアメリカ合衆国ニューヨーク大学のビービー教授を訪問し、知見の交換を行う予定である。また、2019年度より心理学的知見を積極的に取り込む研究を展開している商標研究者でもある一橋大学の井上由里子教授にも研究分担者に加わっていただくことで内諾をいただいているため、法心理学的な視座も加えながら、さらに多角的な現象の検討が可能になると考えている。加えて、2019年6月に予定されている韓国での法言語研究の学会を皮切りに、当課題の研究成果について、積極的に国内外で研究成果を公表していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画ではアルバイトを使って、特許庁が提供するWEBサイトより手作業でデータを収集する予定であったが、急遽、特許庁から元データの提供を受けることが可能になったために、アルバイトを使った作業を取りやめ、作業用のインターフェスを企業に開発してもらうことになった。その業務委託費用として、本来アルバイト雇用費用などに計上していた予算をそちらに充当し、次年度以降に支出することになったために差額が生じた。
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