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2019 年度 実施状況報告書

古生物デジタル標本の登録・保管・再利用システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K18523
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 泰弘  九州大学, 総合研究博物館, 助教 (30447354)

研究分担者 伊庭 靖弘  北海道大学, 理学研究院, 准教授 (80610451)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2021-03-31
キーワードデジタル標本 / 古生物学 / 化石 / キュレーティング / データ保管
研究実績の概要

近年、博物館標本・資料の三次元デジタル化が進み、古生物学においても、化石標本の表面形状や内部の断層撮影など、様々な方法で形態のデジタルデータが取得されるようになった。本研究の目的は、このような「デジタル標本」を登録・保管するとともに、それらを再利用できる研究基盤システムを構築することである。特に、「デジタル標本」について、博物館でキュレーティングされた「標本」のように、登録・保管・再利用の手順をきちんと確立しようとするものである。
令和元年度は、前年度に引き続き本研究グループの分担者の進める研磨断層撮影法(Grinding Tomography: 実物標本試料を研磨しながら連続的に断層画像を撮影する方法)によって生成された連続画像セットである「デジタル標本」について、データセットの取得・収集を進めた。また、本年度は、研磨断層撮影法の画像データセットに加え、他機関の研究者によって生成された化石標本や古生物学研究に使用された標本資料のCT画像データや3Dレーザスキャンデータ等のデータセットを収集した。
その上で、これらのデータセットをケーススタディとして、「デジタル標本」を登録・保管・再利用するためのシステムについて構築を進めた。特に、構築中のシステムはウェブベースでつくる計画であるが、収集した様々な形式のデータを使用して、クラウド環境をプラットフォームとした様々なアプリケーションやサービスについてテストし、それらの将来的な利用の可能性について試行してみる調査や研究を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1)これまでは本研究グループによって生成された画像データセットのみを扱っていたが、今年度は、本研究グループ以外の研究者の生成した標本試料の形態デジタルデータについて、CT画像や3Dレーザスキャナ等、異なるファイル形式で取得されたデータを収集することができた。
2)これによって、収集した様々な形式のデータをもとに、クラウドを利用している様々なアプリケーションやサービスについてテストし、問題点や長所を確認することができるようになり、より汎用性が高いシステムを試作するための環境が整った。

今後の研究の推進方策

1)これまで試行的に構築してきたデジタル標本の登録・保管・再利用するためのウェブサイトを、令和2年度中に公開可能にする。
2)これまで収集したデジタル標本について、これらのデータ内容に関する情報を入力・登録するデータベース(メタデータベース)の構築を進め、異なるデータ取得形式のものでも試料内容による一括検索ができるようにしていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

本研究計画では、化石・古生物標本資料のCT画像や3Dレーザスキャナ等によるデジタルデータについて、本研究グループだけでなく、他の研究者・研究機関において生成されたデジタルデータを収集する。そのために、直接当該機関に出向いて依頼や研究打ち合わせをし、データを取集する必要がある。令和元年度はおおむね計画通りにデータを収集できたが、平成30年度分の繰越分も残ってしまい、次年度に繰り越した。繰り越した助成金は令和2年度分と合わせ、おもに出張旅費および収集したデータの保管・再利用システムのために使用する計画である。

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公開日: 2021-01-27  

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