研究課題/領域番号 |
18K18523
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 泰弘 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (30447354)
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研究分担者 |
伊庭 靖弘 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (80610451) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | デジタル標本 / 古生物学 / 化石 / キュレーティング / データ保管 |
研究実績の概要 |
令和2年度、研究代表者は、新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大防止のため、年度前半は在宅勤務等を行うとともに、当初計画していたデータ取得のための県外の研究機関への出張も中止した。また、教育活動や業務におけるコロナ対策等に多忙となり、本研究を遂行することができなかった。このような状況から、研究代表者は、令和2年度については研究遂行が困難と考え、また中途半端に研究を進め、助成金を無駄に使うわけにもいかないため、基本的に研究を取りやめることとし、助成金を使用しなかった。当初は中止・返還を考えたが、当該事例については学振より研究期間の延長が認められることが分かり、またコロナ対策もある程度みえてきたことから、令和3年度は研究遂行可能と判断し、研究期間を延長することにした。 研究分担者については、問題なく研磨断層撮影法(標本試料を研磨しながら連続的に断層画像を撮影する方法)によって生成されたデータセットの取得を進めることができた。ただ、研究分担者については研究期間を延長すると不都合が生じることから、止むなく本研究から外れることになった。分担者の役割は連続研磨断層データの取得・解析及び収集・保管であるが、令和3年度以降これらのデータについては利用できなくなった。 本研究の目的は、博物館における化石標本資料に関するさまざまなデジタルデータ、いわゆる「デジタル標本」について登録・保管し、再利用できる研究基盤システムを構築することである。以上のような状況を踏まえ、今後の研究計画においては、CT、3Dスキャナ、フォトグラメトリ(写真測量法)の主要な三次元データに重点を絞り、これらに基づいてシステムを構築することで、本研究目的を達成させる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度は、研究代表者が新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大防止のため、年度前半において在宅勤務主体になるとともに、当初計画していたデータ取得のための県外の研究機関への出張も全て中止することとなった。また、教育活動や業務におけるコロナ対策などにより多忙となった。そのため、本研究をほとんど遂行することができなかったことにより、進捗状況の区分で遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
1)令和3年度も引き続きコロナ感染拡大防止対策により他機関への出張研究等、活動が制限されることが予想される。そのため、他機関からのデータ取得・収集は最小限にし、研究代表者の所属する九州大学所蔵標本に重点を置いて3次元形態データの取得・収集を行う。 2)これら標本から取得した3次元形態データについて、データ内容に関する情報を入力・登録するデータベース(メタデータベース)の構築を進め、異なるデータ取得形式のものでも一括検索ができるようにする。 3)以上に基づき、これまで試行的に構築してきたデジタル標本の登録・保管・再利用するためのウェブサイトを、令和3年度中に公開可能にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は、新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大防止のため、年度前半は在宅勤務等となり、当初計画していたデータ取得のための県外の研究機関への出張も中止した。このような状況から、令和2年度については研究遂行が困難で研究を取りやめたため、助成金を使用できなかった。 令和3年度も引き続きコロナ感染拡大防止対策により他機関への出張研究等、活動が制限されることが予想されるため、他機関に出張してのデータ取得・収集は最小限にし、研究代表者の所属機関である九州大学における所蔵標本に重点を置いて3次元形態データの取得・収集を行う計画である。助成金は、これらデータ取得にあたり、おもに機器の購入費や使用料(レンタル料)、ソフトウェア購入費、データ取得補助作業の人件費等に使用する計画である。
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