研究課題/領域番号 |
18K18528
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡崎 敦 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (40194336)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 歴史資料保存・管理 / アーカイブズ学 / 公共歴史学 / 情報管理専門職養成 |
研究実績の概要 |
2021年度は、COVID-19パンデミック状況をにらみながら、オンライン、対面での研究会やシンポジウム等を開催する一方で、共同研究の関係者間でオンラインやメールによる会議を実施し、最終年度に予定していた研究活動、最終的な研究成果とりまとめのスケジュールや内容の変更を検討した。 2021年度の共同研究全体の成果は、以下のとおりである。1.「遠隔教育」に関するシンポジウムへの協力(2021年4月17日、九州西洋史学会主催、オンライン開催)。コロナ禍での大学における遠隔歴史教育実践について、個別の実践例を共有するとともに、新たな教育の理念と方法について検討した。2.「公共史」についての企画研究会(2021年7月24日、ハイブリッド開催)。ゲストスピーカーとして剣持久木氏を招聘し、「公共史」の多様な実践について検討した。3.「アーキビスト教育の新展開」と題する学会研究集会への協力(2021年9月12日、日本アーカイブズ学会主催、オンライン開催)。連携研究者の清原和之氏が報告者をつとめた。4.「情報管理組織のミッションと専門職養成」シンポジウム企画開催(2021年11月27日、ハイブリッド開催)。連携組織の統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻主催行事を企画運営し、本共同研究のメインテーマを多面から検討した。5.2021年度研究成果報告書刊行(2022年3月刊行)。上記の3を除く他の企画についての論考を掲載した。 他方、共同研究に係る研究者たちは、それぞれ本課題に関係する研究を続行し、その成果の一部を、論文や論評、あるいは研究報告のかたちで公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度は、COVID-19蔓延状況を考慮しながら、これまで準備してきた研究会、シンポジウムの一部を、オンライン、ハイブリッド等の形式で開催し、年度末には、その成果を報告書にまとめた。他方、共同研究全体の最終成果の取りまとめ準備についても、オンラインやメールによる会議を開催して連絡調整を続けた。 しかしながら、2021年度も、当初年度末に開催を予定していた総括研究会を断念せざるを得なかった。最終報告書についても、共同研究メンバー同士の密なやりとりが必要な対面での研究会合は実施できず、研究課題の十分な検討には至らなかった。このため、2022年度へ研究期間を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度に開始した本研究は、これまで「公共」という形容詞を冠する人文諸科学の動向を体系的に再検討しながら、共通の論点を析出するとともに(公共歴史学、公共考古学など)、デジタル環境における情報資源の管理、オープンデータの動向が新たに提示する諸問題を、情報管理機関のミッションの再定義、情報管理専門職養成とも関連させながら、検討してきた。 2022年度は、これまでの研究成果を念頭に置きながら、共同研究全体の総括研究会を開催する。また、デジタル時代の情報管理専門職養成の諸問題について多面的に検討する最終報告書を編集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、共同研究の総括研究会の開催、および情報管理専門職養成に関する報告書を編集予定であったが、Covid-19感染症蔓延のため、年度末に予定していた対面での研究会、打ち合わせをすべて断念せざるを得なかったため、研究期間の延長を申請し、受理された。 2022年度は、これまでの研究成果を受けて、共同研究全体を総括し、今後の展開を展望する研究会を開催する。また、共同研究の目標である情報管理専門職養成についての最終報告書を編集する予定である。
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