研究課題
本研究の目的である、古人骨歯牙の超高精度同位体分析に基づく人の移動と親族・婚姻関係の解明を行うため、分析機器の整備、分析資料の作成および分析作業を行った。本年度の前半は新型コロナの流行により分析作業をほとんど行うことが出来なかったため、既分析データに基づく執筆活動を行った。本年度の後半は実際の古人骨の分析作業および論文の執筆作業を行った。前半は既分析試料に関する執筆を行った(舟橋京子・足立達朗・谷澤亜里・米元史織・中野伸彦・小山内康人.2021年3月.博多遺跡第203次調査出土人骨について.博多:博多遺跡群第203次調査報告.福岡市教育委員会,福岡.)。遺跡出土古人骨歯牙の分析作業に関しては、群馬県榛名山周辺遺跡出土人骨歯牙のクリーニングによる試料準備・実体顕微鏡による事前観察により試料化の作業を行い、MC-LA-ICP-MS(レーザー溶出型二重収束型高分解能ICPマルチコレクタ質量分析装置)を使用した分析を行った。歯牙Sr同位体比の分析結果に関する読み取り作業は終了しており、考古学的情報を収集・分析後論文の執筆を行った(舟橋京子・米元史織・足立達朗・中野伸彦・小山内康人.2021年6月出版予定.金井下新田遺跡出土人骨について.金井下新田遺跡発掘調査報告書 論考編.群馬県埋蔵文化財事業団,群馬.)。これらの他、現在日本語論文1本・英文1本の論文を執筆後研究チーム内で最終調整中であり、可能になり次第投稿作業を行う予定である。昨年度末に、遺跡出土人骨Sr同位体比データとの比較のために必要な遺跡周辺湧水のサンプル採集を行ったが、2019年度末から2020年度前半の新型コロナによる分析作業の中断で、事業期間内に分析作業を行うことができなかった。
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