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2022 年度 実績報告書

最新の地形学に基づく歴史的構造物の立地分析:地形と歴史の科学的な関連づけの試行

研究課題

研究課題/領域番号 18K18536
研究機関東京大学

研究代表者

小口 高  東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (80221852)

研究分担者 貴志 俊彦  京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (10259567)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2023-03-31
キーワード地形 / 歴史 / 地理情報システム / 画像資料
研究実績の概要

古墳や城郭を含む遺跡・史跡の分布と、地形などの環境の要素との関係を検討するためのモデルを、日本と中国陝西省に適用した。前年度までよりも使用するモデルを向上させ、古典的な度数比(frequency ratio)モデルと、機械学習のアテンション機構(attention mechanism)を組み合わせた新たな統合型のモデルを適用した。さらに、度数比のみのモデルと、従来比較的多く使用されている機械学習の最大エントロピー法を用いたモデルも適用し、適合度を比較した。その結果、いずれのモデルも現象を説明する能力を持っているものの、新たに提案した統合型のモデルが最も適合度が高いことが判明した。さらに、モデルを各遺跡・史跡の近隣の環境条件に適用した場合と、やや離れた場所の環境条件に適用した場合の結果を比較した。その結果、遺跡・史跡の種類に応じて、立地に最も強い影響を与える環境の分布範囲が異なることが判明した。この結果について、遺跡・史跡と当時の主要集落の分布の関係を考慮した解釈を行った。
遺跡・史跡の理解とバーチャルリアリティ(VR)の技術を結びつけて、教育実践に応用するために、仮想空間に再現した現実性の高い環境を観察したり,散策したりするVRのアプリケーションを構築した.対象は横浜市にある人工の横穴洞窟の「田谷の洞窟(田谷山瑜伽洞)」であり、洞窟内の三次元点群データや全天球パノラマ画像、洞窟の小型模型、環境音を活用した。また、アプリケーションの使用感と効果を、市民を対象としたVRの体験会とアンケート調査により検討した.
昨年度まで実施した古い景観写真に関する画像資料の整理と分析との関連で、写真が報道で使用される際の影響に関する検討を、歴史的な資料も活用して行った。
本プロジェクトの最終的な成果として、二編の英語論文を当該分野で定評のある国際誌に投稿した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 三次元地理空間情報とVR技術を用いた遺構の散策アプリの試作と評価―地理教育への応用に向けて―2022

    • 著者名/発表者名
      山内啓之, 鶴岡謙一, 小倉拓郎, 田村裕彦, 早川裕弌, 飯塚浩太郎, 小口 高
    • 雑誌名

      E-journal GEO

      巻: 17 ページ: 169~179

    • DOI

      10.4157/ejgeo.17.169

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Hazards and risks in the Anthropocene2022

    • 著者名/発表者名
      Oguchi T.
    • 学会等名
      IGU-UGI Centennial Congress
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Hazards and risks of natural disasters in the Anthropocene2022

    • 著者名/発表者名
      Oguchi T.
    • 学会等名
      International Conference on Earth Observations and Societal Impacts 2022
    • 国際学会
  • [学会発表] 二種類のリソスフェアと地球人間圏科学2022

    • 著者名/発表者名
      小口 高
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2022年大会
  • [学会発表] Exploring the relations between archaeological/historical sites and topography in Japan and China by machine learning methods2022

    • 著者名/発表者名
      Wang Y., Oguchi T.
    • 学会等名
      10th International Conference on Geomorphology
    • 国際学会
  • [学会発表] 画像通信の実像と虚像―国際写真電送と新聞報道2022

    • 著者名/発表者名
      貴志俊彦
    • 学会等名
      山川歴史講座 いまを知る現代を考える4

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公開日: 2023-12-25  

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