研究課題/領域番号 |
18K18543
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
稲村 哲也 放送大学, 教養学部, 名誉教授 (00203208)
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研究分担者 |
河合 明宣 放送大学, 教養学部, 特任教授 (90195024) [辞退]
奈良 由美子 放送大学, 教養学部, 教授 (80294180)
石井 祥子 名古屋大学, 減災連携研究センター, 研究員 (30398359)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2022-03-31
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キーワード | 遠隔教育 / モンゴル国立大学 / ブータン王立大学 / 遊牧 / 山岳地域 / レジリエンス / コンテンツ制作 / スタジオ整備 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、山岳高所の農牧民や草原の遊牧民が、伝統的な生業を維持し、あるいは移動しながら高等教育を受けられる制度として、遠隔教育を活用するための地域適応型のシステムを構想することである。そのために、山岳高所・遊牧地域における社会変容の現状を把握すると共に、両地域においてインターネット等を通じた遠隔教育の試行を行ない、将来の本格導入に向けて、その課題や効果の検討することである。 主な研究フィールドは、これまで研究代表者の稲村哲也(文化人類学)らが現地調査に携わってきたモンゴルやヒマラヤ(とくにブータン)である。両地域共に、これまで厳しい自然環境に適応した「伝統的」な生業や生活様式が保たれてきたが、近年は携帯電話、イン ターネットなどの普及が著しく、遠隔教育の導入にとって有利な状況を生じ、本研究のフィージビリティーを高めている。 現地調査とモンゴルでは、現地研究協力者のバトトルガ教授(モンゴル国立大学国際関係・行政学部学部長)らとモンゴルにおける人々の生活・社会・コミュニケーションの変容と現状を調査すると共に、モンゴル国立大学内の「レジリエンス研究センター」を拠点とし、モンゴルにおける災害の状況について現地調査および情報集積を行い、災害理論・防災・減災に関する、「災害啓発」のコンテンツ制作を実施した。 ブータンでも、急激な近代化が進められ、都市への人口集中と地方の過疎化が進んでいるが、その要因のひとつである教育格差を解消する方法としての遠隔教育の可能性を探った。特にブータン王立大学と協定を結び、GNH(国民総幸福量)政策等を中心にコンテンツ制作を試みた。 最終年度は、covid-19感染症流行により、現地調査は実施できなかったが、オンラインで現地と意見交換を行うと共に、レジリエンスに関する研究、covid-19に関するリスクマネジメントの研究を進めた。
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