研究課題/領域番号 |
18K18554
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
甲斐 克則 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (80233641)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 人体情報 / 個人情報の保護 / 医療情報 / 遺伝情報 / ゲノム情報 / ゲノム編集 / 法的ルール / 第三者利用 |
研究実績の概要 |
1.2018年8月5日に上智大学での大規模研究会において「人体組織・人体構成体・人体情報の法的地位とその利用をめぐるルールづくり」と題して講演を行った。 2.上記講演原稿を元に、さらに洗練させて、「人体組織・人体構成体・人体情報の法的地位とその利用をめぐるルールづくり」と題する論文を、『久塚純一先生古稀祝賀論文集』(成文堂・近刊)に寄稿した。これにより、理論的基礎がある程度固まった。 3.編著『医事法講座第9巻 医療情報と医事法』(信山社・近刊)を企画編集し、法学および医学の専門家に寄稿してもらった。これにより、国内外の最新の医療情報と医事法の問題状況が解明されるであろう。w他紙自身は、「医療情報と刑法」という論文を寄稿した。 4.海外調査として、2018年10月末から11月初旬にかけて、ニューヨーク大学ロースクール(訪問相手はSylvia Law 教授)と同大学Bio Rthics Center(訪問相手はMathew Lyaokyouju)を訪問し、アメリカの医療情報およびゲノム編集・改変をめぐる問題状況を調査し、有益な成果を得た。 5.2018年11月末に香港大学で開催された第2回ゲノム編集世界サミットに参加し、アメリカ、イギリス、中国、日本から参加した専門家から、この、問題の最新状況と知見を得た。 6.内閣府総合科学技術・イノベーション会議の生命倫理専門調査会等で仁保におけるゲノム編集技術に関する指針策定に寄与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画通り進んでいる。成果も順調に公刊されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
1.医療情報と遺伝情報を統合した人体情報を法的に明確に位置づけ、その利用が医療ないし医学研究においてどのように第三者利用が可能かを、比較法的観点を行いつつ体系だてることが必要である。 2.ゲノム改変ないしゲノム編集について法的にどのように規制すべきかを、比較法的観点を踏まえ、具体的に提言する。 3.そのためには、ドイツや中国等に調査にいく必要がある。 4.申請者が企画責任者であるThe 25th World Congree of Medical Law (第25回世界医事法会議)を早大で2019年8月に開催するが、そこで、40か国あまりの国々からの参加者と意見交換し、自らもRegulatory Science and Medical Law というセッションを設けて報告する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年11月より早稲田大学理事に就任したため、予定していた海外調査に行く時間的余裕がなかった。 2019年度に海外調査および私が企画責任者として早稲田大学国際会議場で開催される国際学会(The 25th World Congress of Medical Law)で海外情報を入手する予定である。
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