研究課題
2022年度は、本課題に関するこれまでの研究の総括として、甲斐克則『人体情報と刑法〔医事刑法研究第8巻〕』(全382頁)を2022年12月に成文堂から刊行した。本書は、医療情報、遺伝情報、ゲノム情報を人体情報として位置づけ、その医事法的位置づけを新たに行ったものであり、まさに挑戦的な萌芽的研究であるといえる。また、「国産ワクチン等の研究開発に向けた2022年薬機法改正の意義―レギュラトリーサイエンスと医事法の視点から―」と題する講演を第12回レギュラトリーサイエンス学会・大会長企画シンポジウム「緊急事態における薬事承認制度―国産治療薬・ワクチンをめぐって―」(於・一橋講堂・2022年9月10日)にいおいて行った。この講演も、本研究の課題にふさわしい挑戦的な萌芽的研究であった。なお、「パンデミック宣言下における緊急事態の医薬品等使用許可・承認制度に関する研究会(笠貫宏・甲斐克則共同座長)早稲田大学医療レギュラトリーサイエンス研究所)「提言:緊急暫定承認制度(Emergency Temporary Approval: ETA)の創設」と題する提言をまとめ、甲斐克則責任編集『医事法研究第5号』(pp.1-29)(信山社・2022年4月25日)に掲載したほか、甲斐克則「レギュラトリーサイエンスと医事法――コラボレーションの研究成果としての緊急暫定承認制度創設の提言――」と題する論説も同誌(pp.31-44) に掲載した。かくして、研究機関全体を通じて、「人体情報」をめぐる法的諸問題に関する先駆的・挑戦的・萌芽的研究に大きな成果を得た。これらの一連の研究成果は、今後の日本のこの分野の財産となるであろう。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
医事法研究
巻: 5 ページ: 31-44
巻: 5 ページ: 1-29
早稲田大学法学会百周年記念論文集
巻: 3 ページ: 173-191
巻: 6 ページ: 91-108
Gunnar Duttge, Melanie Steuer und Makoto Tadaki (Hrsg.), Menschenwürde und Selbstbestimmung in der medizinischen Versorgung am Lebensende: Ein deutsch-japanischer Vergleich
巻: 1 ページ: 95-108