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2022 年度 実績報告書

日本の国際関係論における「ゆがみ」の発見とその意味-「観察批判論」からの接近

研究課題

研究課題/領域番号 18K18557
研究機関名古屋大学

研究代表者

山田 高敬  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (00247602)

研究分担者 赤星 聖  関西学院大学, 法学部, 准教授 (20795380)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2023-03-31
キーワード国際政治理論 / グローバル国際関係論
研究実績の概要

2022年度の主な研究実績は、同年9月19日から24日にかけてベルリン自由大学で同大学の研究チームと共同でワークショップを開催し、Between Isolation and Internationalization: How “Global” is IR in Japan and Germanyと題する論文の共同執筆に向けて、(1)両チームの進捗状況の確認、(2)日独の国際関係論に関する先行文献や新たなデータ分析から得られた情報の共有、(3)ドイツにおける国際関係論の歴史に詳しいT. リッセ教授からのヒアリング、ならびに(4)共同執筆論文の構成などに関する検討を行った。このワークショップを踏まえて、当該論文の完成に向けて執筆活動を行ってきた。

本研究は、第1に日本の国際関係論の研究文化が外交史研究を起源として経路依存的に発展してきたことを明らかにした。第2に、第2世代の研究者を中心に政策決定論、システム論、あるいはゲーム理論などの理論研究への転換が図られたことも確認された。けれども日本においては、太平洋戦争に至る過程の詳細な実証分析が理論構築よりも優先されたこと、さらに理論研究の発展を期待された平和研究が平和運動から一定の距離を置くことができなかったことなどを理由に、この試みは実を結ばなかった。第3に、本研究は、ドイツでは、日本のような経路依存性がなかったことを明らかにした。ドイツの第1世代の研究者は日本と同様に外交史研究家であったが、ナチス・ドイツの再評価に対する関心よりも米国で発展しつつあった国際関係論への関心の方が強かったため、第2世代の研究者は理論構築に注力した。またドイツでは当時、国際関係論に特化した学術誌は存在しなかったため、研究者は研究成果を欧米の国際誌に英語で発表することを余儀なくされた。その結果、ドイツの国際関係論はより国際化されたと本研究は結論づけた。

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公開日: 2023-12-25  

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