研究課題/領域番号 |
18K18563
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
|
研究分担者 |
マス エリック 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (30648374)
山浦 一保 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (80405141)
安田 誠宏 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (60378916)
|
研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
|
キーワード | 避難行動 / 防災 / 防災心理 |
研究実績の概要 |
本研究では,早期避難につながる教育や情報提供といった防災政策設計に資するために,「自分は大丈夫」という心理バイアスを組み込んだ避難行動モデルを構築する.そのために,Akerlof・Dickens (1982)の経済心理学モデルらによる認知的不協和モデルのパラメータ推定を,東日本大震災時の避難行動データを用いて行った.避難データの詳細は,国土交通省都市局が実施した東日本大震災被災市街地復興支援調査であり,調査地区は青森県から茨城県までの太平洋沿岸全域であり,サンプル数は10,240である.分析の結果,不安感パラメータが地域依存であること,またその違いが過去の津波履歴などで解釈できることがわかった. また,京都で調査を2018年に行っていた避難行動のデータを「防潮堤整備が進む地域における住民の避難意思決定に関する調査および分析」安田・吉田・河野で土木学会論文集B2(海岸工学) に報告している.次に,このデータを用いた同じモデルのパラメータ推定を行い,津波時と河川氾濫警報時による違い,や,場所による違いについて考察する予定である. また,”Survey and Analysis on Evacuation Decision of Residents in Areas Where Tsunami Embankment Construction Is Proceeded”by YOSHIDA,YASUDA,KONOをフランスの国際学会で発表している.これは静岡の避難事例についての研究である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,東日本大震災時の実際の防災行動に基づいたパラメータ推定を行っている.その結果,地域によるパラメータの違いを明らかにできた.また,その違いを,過去の津波履歴の違いなどでの解釈も行っている.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は,その他の地域や,津波避難以外の行動データでのパラメータ推定を行って比較分析を行う. また,同時にこれまで得られた成果について国際学術雑誌への投稿を進めていく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
計画していた出張がコロナ禍のため、中止となったため。繰越金はテレワークに使用するパソコン機器に使用する
|