研究課題/領域番号 |
18K18571
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
澤木 聖子 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40301824)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 仕事と治療の両立支援 / コロナ禍による受診控え / リワークプログラム / 離職行動 / エンゲージメント / 心理的安全性 |
研究実績の概要 |
2021年度は、当初予定していた質問紙調査とヒアリング調査が実施できず、準備段階で期末を迎えたため、研究目的を実施計画に沿って完結することができなかった。 本調査研究では、「ながらワーカー」を、がんを主病とする働く患者と位置づけ、治療をしながら仕事をする働く個々人と、その従業員を雇用する組織の人的資源管理の双方から捉え、治療と仕事の両立支援がどのように行われているかを明らかにすることを目的としている。それに加え、「ながら」の対象を拡大し、仕事と子育て、仕事と介護など、働く個々人が直面している私事が、個人の職務観や組織に与える影響過程について探索することを目的としている。 一昨年度から現時点においては、治療を受けながら働く傷病者3名へのヒアリング延べ13回を実施した。また、企業側のリワーク・プログラムやダイバーシティ・マネジメントの中での傷病者の人材活用や両立支援の実態について、文献やメールでの調査により情報収集を進めた。このほか、全国の日本企業の人事部で働く従業員約700名を対象としたWEB調査の準備を進めてきた。 同時に、COVID-19の前後に、これらの企業側の両立支援や当事者の働き方がどのように変化したのかについても調査項目を追加していく予定で、質問項目の精緻化を検討してきた。 得られた情報は、医療介護福祉の職員で構成される非公式な座談の場で確認、修正を行い、情報の誤謬や非対称性を排除できるように確認作業を繰り返すにとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響で、調査対象となる医療・介護、企業に関わる現場へのアプローチが困難となったため。また、個人の調査協力者の逝去によるヒアリングの中断により、当初の研究計画に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
準備段階にある人事部勤務者を対象としたWEB調査の実施に向けて、質問項目の再設計と、現在までに得られたヒアリングの情報整理を進め、研究計画を完結できるよう進めていきたい。可能であれば、医療機関へのヒアリングも再開できるよう時機を見ながら研究を進めたいと予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、調査対象となる働く傷病者や医療機関、企業へのヒアリング調査やWEB調査の実施が計画どおりに遂行できず、2022年度実施に持ち越したため、次年度使用額が生じた。
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