本研究では、「ながらワーカー」治療や介護をしながら仕事をする働く個々人と、その従業員を雇用する組織の人的資源管理の双方から捉え、治療と仕事の両立支援を取り巻く実態を明らかにすることを目的とした。 育児、介護など、働く個々人が直面している私事が、職務観や組織に与える影響過程について探索することも目的とした。全国の日本企業の人事部で働く従業員約1,000名を対象としたWEB調査の他、当事者にインタビュー調査を実施した。「ながらワーカー」の人材活用にはアンコンシャス・バイアスの弊害が浮上した。人的資本として「ながらワーカーに」投資するためには、意識と評価システムの転換が必須であることが導かれた。
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