研究課題/領域番号 |
18K18573
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青柳 真樹 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (50314430)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | メカニズムデザイン / ランダムグラフ / プラットフォーム |
研究実績の概要 |
本研究では市場参加者間の相互アクセスを独占的に提供するプラットフォームの制度設計の問題を考察する。市場は水平的にその特性が差別化された参加者および一つのプラットフォームからなり、プラットフォームは各参加者の特性に関する情報に独占的に接することができる。各参加者は他の参加者の特性について選好をもつが、どの参加者が自らの好む特性を有しているかについては情報を持たず、その結果プラットフォームにその情報を依存し、結果としてプラットフォームに独占的な地位を与えることになる。それぞれの参加者は自らの好む特性をもつ参加者へのアクセスに価値を見出すが、彼らの選好は各人の私的情報であり、プラットフォームはこれら選好に関する情報を収集する必要がある。プラットフォームは各参加者の選好についての情報を収集したうえで、自ら持つ彼らの特性に関する情報と照らし合わせ、それをもとにメンバー間での相互アクセスが可能なグループを構成して参加者に提供する。本研究では選好についての情報をもとにグループ分けとその提供価格を決定する制度設計(メカニズム・デザイン)の問題を考え、市場参加者の選好に関する私的情報を正しく集約し、しかも外部性のある下での均衡選択の問題を解決するメカニズムを分析する。そのようなメカニズムの中でプラットフォームの利潤を最大化するメカニズムを最適メカニズムとして定義し、その考察を行う。特に市場参加者の数が十分に多い場合にどのようなメカニズムが最適となるかについて、各市場参加者が望ましいと感じる他の市場参加者の特性の数の期待値が市場参加者全体と比較して多い場合と少ない場合のそれぞれについて特徴づけを行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
公刊段階まで進む予定であり、順調と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は分析が順調に進んだのに対して、モデルの解釈の点で難点があった。これについて市場参加者の特性と、その特性に対する選好という解釈の観点を新たに導入し、いくつかの先行研究および現実経済と関連付けることに成功した。論文はディスカッションペーパーとして公刊の予定であり、学術誌への投稿へと進む予定である。
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