研究課題/領域番号 |
18K18574
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福重 元嗣 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (10208936)
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研究分担者 |
立石 直子 岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (00369612)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 離婚 / 幸福度 / 法と経済学 |
研究実績の概要 |
本研究では、離婚経験者に対して、離婚前後の幸福度、社会経済的な状況の変化等をアンケートにより調査をすることによって、離婚というものが夫婦間で幸福度の変化に対してどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目指している。特に、夫婦間で幸福度に対して非対称的な影響をもたらすものであれば、それはどのような社会経済的な状況の変化によるものか、計量経済学的な手法をもって明らかにすることを目的としている。 本年度は、第2年目に実施するアンケート調査について、幸福度に関する既存のアンケート調査等の調査方法についてサーベイをし、具体的な調査項目の整理及び問題点について検討を行った。 また、多くの離婚経験者のデータを収集する必要があるため、複数の調査会社と調査方法や調査費用について、問い合わせを行っている。現在のところ、申請時に想定していた、インターネットによる調査が、比較的費用が安いことが確認されており、現在質問項目の数、質問の流れ等について、アンケート調査を設計中である。アンケート調査の概要は、現在のところ、具体的な個人の属性を訪ねるフェイス・シートに当たる部分に加えて、離婚時点からの時間経過、離婚時点での夫婦間での条件(離婚によって生じた、慰謝料、子供の養育費、財産の分割およびその支払い方法、離婚後の所得の保障に関する条件など)、現在の養育費等の状況について質問したのちに、幸福度に関する質問を行う、という手順が決まっている。しかしながら、質問の順番については、現在最終的な検討を行っているところである。 第2年目の5月以降には、具体的に調査会社と契約し、アンケートの実施に向けて準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年間の研究計画のうち、第1年目には、具体的な先行研究のサーベイとアンケート調査の準備であり、双方の作業とも問題なく進んでおり、順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
第2年目には、予定通りアンケート調査を実施する予定である。引き続きアンケート調査によって収集されたデータについて、計量経済学的な分析に着手する予定である。特に、多くの離婚経験者のデータを収集する必要があるため、複数の調査会社と調査方法や調査費用について、質問項目の数、質問の流れ等について、アンケート調査を設計してゆく。第2年目の5月以降には、具体的に調査会社と契約し、アンケートの実施に向けて準備を進めるが、具体的な実施方法について調査会社と詳細について詰める予定である。 アンケート調査が終了すれば、得られたデータを基に計量分析を行い、離婚が、夫婦間で幸福度に対して非対称な影響を与えるのか、対称な影響を与えるのかを、数量的に明らかにする予定である。研究成果については、適宜論文という形にまとめ、国内外の学会において報告する予定であるが、この作業は具体的なアンケート調査の結果を得てからとなる。最終年には、論文を完成させて、国内外の学会において報告するとともに、海外の査読付き雑誌に投稿し掲載されるように修正および改訂を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者との打ち合わせが、研究分担者の他の用件による出張等を利用して行われたため、出張に費用が節約できたこと、海外の文献および資料について、現在調査中のものがあり、次年度において、発注・取り寄せとなることになったため、予算の執行を次年度に繰り越した。
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