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2018 年度 実施状況報告書

日本酒産業の経済学的解明-サケノミクスの構築に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 18K18575
研究機関大阪大学

研究代表者

阿部 顕三  大阪大学, 経済学研究科, 教授 (00175902)

研究分担者 安達 貴教  名古屋大学, 経済学研究科, 准教授 (50515153)
花薗 誠  名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60362406)
大湾 秀雄  早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (60433702)
研究期間 (年度) 2018-06-29 – 2020-03-31
キーワード日本酒産業 / 流通 / 内部組織 / 貿易
研究実績の概要

本年度は、第1に日本酒造組合中央会において、日本酒の税制、日本酒業界の人材、流通、輸出などについて聞き取り調査を行い、今後のモデル構築・分析や実証分析のための有用な情報を収集した。税制に関しては、新酒税法や新組合法と基準販売価格制度との関係を明らかにした。人材に関しては、日本酒造杜氏組合連合会傘下の組合員数の減少とそれに対する対応策を確認した。また、流通に関しては小規模の酒蔵と大規模な酒蔵の清酒の流通の違いについて明らかにした。さらに、輸出面では日本とEUの経済連携協定の発効が日本酒産業の国際的な競争力に与えうる影響について示唆を得た。
第2に、グローバル経済における日本酒産業の国際競争力などを分析するための理論モデル構築を進めた。日本酒は、原材料となる米にも多くの種類があり、また生産工程も複雑であることなどから、製品の差別化の程度が非常に高い財であることを考慮に入れ、従来の独占的競争モデルを拡張する形でモデル構築を進めた。中間投入物として差別化された米導入し、それによって最終生産物の日本酒も差別化されるような特徴を導入した。また、複数の生産工程を導入し、使用する生産工程によっても差別化が生じるような可能性も考慮した。さらに、少数の大規模な生産者(酒蔵)と多数の小規模な生産者(酒蔵)が共存し、競争しているような市場も想定し、そのような生産構造や市場構造が日本酒の国際競争力に及ぼす影響を理論的に考察するための基本モデルの構築を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本酒産業の特徴を調査し、モデル構築や理論分析の基礎ができつつあり、また実証分析に向けての準備も進んできている。

今後の研究の推進方策

構築してきた基本モデルをさらに検討し、現実の日本酒産業の特徴を的確に捉えたモデルに改良し、分析を行っていく。また、流通や内部組織などに関するデータ収集を進め、実証研究を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

本年度購入予定であったデータベースが未購入であったこと、研究打合せの機会を設けることができなかったために旅費の支出が少なかったことなどから未使用の助成金が生じた。次年度はデータベースの購入、研究打合せのための旅費、学会報告などで使用する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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