これまでに複数のASEAN加盟国を対象として、各国の最小行政地区レベルの経済活動水準のデータを構築し、ASEAN地域経済統合のもとでの域内貿易自由化が各国国内の経済活動の地域間格差に与える影響について分析を行ってきた。2022年度までは新型コロナウィルス感染拡大のため渡航制限による現地調査の延期、および国際学会の中止や延期が生じたことにより、研究期間延長を行ったが、2022年度末までに、研究成果は逐次、国際学会報告および論文として出版してきた。2023年度は、特に衛星画像のデータ更新と貿易データの拡張を行い、より詳細な分析を実施した。これらのデータ拡張と蓄積作業の途中で、貿易を通じた途上国の輸出財の質向上プロセス過程を分析した関連研究を実施し2本の論文を完成させ、うち1本は紀要論文として出版し、他の1本は学術専門誌に投稿・審査のプロセスのなかで改訂を継続中である。さらに、2023年度は衛星画像データを最新版に更新して使用し、ASEANの経済統合のもとでの国境貿易の変化と地域経済活動の関係を分析する研究を実施した。この研究成果は国際ワークショップと国際学会で報告を行い、現在、学術誌に投稿・審査のプロセスの途中で、改訂を継続している。
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