研究課題/領域番号 |
18K18586
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
井村 直恵 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (10367948)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 和食 / 地域資源経営 / レストラン経営 / 文化経営 / 料理哲学 / 技の伝承 / サービス・イノベーション / 世界遺産 |
研究実績の概要 |
日本の料理店を取り巻く環境は、世界的にも異質である。例えば、良い料亭やレストラン情報や評価は口コミで共有されており、良い料理店の評判はシェフよりも料理「店」に対する評価であり、老舗店が高い評価を得ることが多い。若い時期のシェフ修行も老舗で長年じっくり型が多い。だが実は、これは世界では特殊である。本年度は、和食料理店の経営学を、特に伝統的な日本料理の中心地である京都の和食料理店を対象として実施することを目的として、学会発表の準備、論文執筆と並行して、和食店への聞取り調査を行った。 本年度は、ミシュラン料理店を対象として、京都と東京、大阪、の料理店の比較を経営学的観点から実施し、日本感性工学会全国大会にて学会発表した。学会発表で得られた知見をもとに、論文を加筆修正し、感性工学会の学会誌で論文を発表した。更に情報を加筆し、年度末に日本感性工学会感性商品研究部会で発表した。 また、本研究の視点を地域資源経営の観点から位置づけることを目的とし、日本地域資源開発経営学会でもIBECモデルの中で本研究を位置付けた発表を行った。 年度後半では、和食店店主に対する聞取り調査に着手した。聞取り調査の結果については聞き起こしを作成し、現在分析中である。2019年度に学会発表を行う予定である。この調査を行うために、海外の共同研究者を招聘し、料理店の参与観察を行った。日本人にとっては特段意識しないことに対する着眼があったり、外国人からみた日本の食文化という視点を取り入れることができた。 調査は今後も継続して実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度前半はデータの整理や予備調査を実施していた。年度後半において、実際の店舗との聞取り調査を開始した。和食料理店を対象として聞き取りしているが、アポイントを取るのが予想していた以上に大変難しく時間がかかる。人を介してアポイントを取る必要が多く、今後もネットワークの構築に務めていく。
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今後の研究の推進方策 |
現在、和食料理店を中心としたヒアリングを実施中である。今後もヒアリングを継続すると共に、データの分析をして、随時論文として発表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に購入したパソコンで業者からキャンペーン価格を提示されたため、繰越予算が発生した。次年度において、聞き起こしの経費として使用予定である。
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