研究課題/領域番号 |
18K18586
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
井村 直恵 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (10367948)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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キーワード | 感性デザイン / 料理店マネジメント / 京料理 |
研究実績の概要 |
本研究は、「美味しさ」という感性デザインに関する商品・サービスを提供する料理店のマネジメントについて研究するものである。 本年度は予定していた料理店での調査の一部がCOVID-19の影響を受け、実施出来なかったものの、2020年秋に実施した料理店での視線計測装置を用いた実験の結果について概要をまとめ、2度の学会発表を行った。これは、京都の料亭に訪れる顧客の食体験が、顧客の特性(年齢・普段の食行動・社会的背景・国籍等)によってどのように異なるかを調査するものである。調査では、個人情報保護に配慮した上で、視線計測装置、動画、会話の録音等を実施した。本年度はこの中で、視線計測装置のデータについての分析について発表した。調査の際には、料理人の視線計測も行い、料理人の視線に迷いが少ないことなどが知見として得られた。このデータについては今後分析予定である。 また、感性工学会での発表をもとにして、『暮らしにおける感性商品ー感性価値を高めるこれからの商品開発と戦略』にて日本食の再文脈化について議論した。この論考では、日本食が国際化する過程で、「日本食(Japanese food)」という概念がどう変容するのか、その過程において、従来は現地国の文化差での違い等が議論されていたが、1つの国の中でもコミュニティの特性によって日本食の現地化の形態が異なっていることをテキスト分析によって明らかにした。 以上のように、本年度の研究は、感性デザインをする側、ではなく、デザインを受け取る側の感性についてを中心に調査・分析を実施した。デザイン研究の多くは、発信側のデザインプロセス等に着目することが多いが、受信側の感性と文化的影響について着目した研究である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、料理店での視線計測装置を用いた実験を予定している。 しかし、長引くCOVID-19の影響により、調査対象となる日本を訪問する外国人観光客の確保ができておらず、予備調査として1度実験を行うにとどまっている。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、COVID-19の影響を受け、調査の一部が出来ない状況にとどまっている。2022年度に国境を跨ぐ人の往来が回復した場合には、もう1度調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の長期化により、予定していた実験の一部が実施できなかったため。 次年度に実施予定。
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