研究課題/領域番号 |
18K18591
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
河野 禎之 筑波大学, 人間系, 助教 (70624667)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | LGBT / セクシュアル・マイノリティ / セクシュアリティ / イメージ |
研究実績の概要 |
LGBT等のセクシュアル・マイノリティにおける(1)高齢期の施設ケアでの課題と、(2)当事者の抱える将来の老後不安について明らかとするため、2019年度は昨年度の予備調査に基づいて作成した質問紙を使用し、医療・福祉領域の実務者108名(研究協力者)に対して、LGBT等の当事者に関して抱くイメージの現状や医療・福祉領域での接触状況に関する調査を行った。調査の結果、まず今回開発した15項目のイメージ尺度に関して、一定の信頼性と妥当性を有することが確認された。次に、イメージ尺度の結果からは、本研究の研究協力者ではトランスジェンダー女性に対するイメージが相対的に最もポジティブと評価され、ゲイに対するイメージが相対的に最もネガティブと評価された。同時に調査したホモフォビア(同性愛嫌悪)やトランスフォビア(トランスジェンダー嫌悪)尺度の結果と合わせても、全体として強いネガティブな印象にはないものの、特に年齢層が高いほどゲイに対するイメージはネガティブであり、男性においてゲイに対するホモフォビアが高いことが示された。これらの背景には、トランスジェンダー女性のメディアでの取り扱われ方や、男性同士の性交渉とHIV感染の関連の強さに関する情報の広まり、中高年層が生きてきた時代背景等が要因の一因となっていると考えられた。 上記の調査調査の結果に基づき、より多くのサンプルに対する調査の実施を可能にするため、インターネットを活用した質問紙調査の計画を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、本格的な調査研究を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、より多数のサンプルへのインターネット調査を予定している。調査終了後は速やかに分析を進め、学術雑誌や関係学会等での成果報告を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究に関して、機縁法による研究協力者の募集や、無料の質問紙回答フォーム等を積極的に活用したことから、最小限の支出により当初の計画と同等の成果を得ることができた。繰越金は次年度に実施るす予定の大規模なインターネットを活用した調査の経費として使用する。
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