研究課題/領域番号 |
18K18601
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70362689)
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研究分担者 |
稲原 美苗 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00645997)
竹中 菜苗 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 講師 (20510291)
米倉 裕希子 関西福祉大学, 教育学部, 准教授 (80412112)
新家 一輝 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (90547564)
高橋 綾 大阪大学, COデザインセンター, 特任講師(常勤) (50598787)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 障害者歯科 / 家族支援 / 心理カウンセリング / 哲学対話 / ペアレントトレーニング |
研究実績の概要 |
障害者歯科の受診に付き添うケアラーの多くは親であり,診療現場では,親子の生きづらさや不調が発見されやすい.障害のある人と親など家族構成員は密接に関係し,親の心身不調や「生きづらさ」が,家族全体のQOLに直結する.そのため,障害のある人の生涯にわたる口腔の健康を達成するためには,家族の心身の支援は欠かせない.われわれは以前,学際的な親支援プログラムを実施し,障害者歯科医療現場における家族支援と物語ることができる場所を設定することの重要性を示した.今回,さらなる親支援展開のため,障害のある人の親の育児ストレス,QOLおよび心的支援ニーズ調査とともに,新たな学際的支援プログラムを開発した.公認心理士による家族の心的ケアとともに,講座と語りからなる親対象のプログラムを実施し,その効果を検証した. ①ニーズ調査と意識調査,②心理カウンセリング,③講座と対話によるセッション(親育ち学級)を実施した. ①ニーズ調査と意識調査からは,障害のある子をもつ親が,高い育児ストレス状態にあることが示され,②心理カウンセリングからは当事者ではなく専門職からの能動的な心理ケアへの誘導の必要性が示唆された.③親育ち学級からは,参加した保護者にとって「必要な語れる場」として機能したことを示している可能性が示された. 以上のことから障害者歯科における,親の心的支援は,患者や家族の生活の健康および人間関係面といった,これまでの医療の弱点を補うことが可能性のあることが示唆された.
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