北海道では医療従事者は都市部に偏在しており、人口減少地域では最低限必要な人員も確保できず恒常的な問題となっている。今回の研究では、医学生が自ら地域医療への志向性を向上させるための因子探索を目的に、準備教育の実践を通じてその因子を探る研究である。早期からの地域医療実習のみでは、これまでの研究では短期的な志向性向上は認められたに過ぎず、高学年になるほどその意識が薄れることがわかっていた。しかし、本研究で行った、継続的な地域住民及び地域と学習者との交流、および新型コロナ感染症に端を発した、ICTを駆使したハイブリッド学習において、地域医療への志向性がより持続的であるという傾向がうかがわれた。
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