研究課題
挑戦的研究(萌芽)
コシヒカリに重イオンビームを照射した変異米1,000系統以上から、変異米の難消化性を分析し、難消化性を示すとともにコシヒカリの食味を維持した系統の育種を目的とした。α-アミラーゼによる分解性を指標とした初期スクリーニングから難消化性を示すと考えられた系統をいくつか選抜する事ができた。その後栽培を重ねて選抜した系統の性質を追跡したが、選抜当初に見られた難消化性が次世代に継承されるにはいたらなかった。
応用糖質科学
難消化性澱粉(RS)は血糖値の上昇抑制や脂質代謝の改善など食物繊維と同様の働きをすることが報告されており、RSを多く含む食品の機能性が注目されている。食味が良くRS含有量が高い米を得ることができれば、炊飯米から日常的にRSを摂取することができ、日本人の健康維持や増進につながることが期待された。今回は難消化性を示すイネの選抜方法と問題点を見いだす事ができたので、今後の難消化性を示すイネの選抜法の基礎的な研究法を確立に寄与する事が考えられる。