研究課題
本研究遂行にあたり、基本となるヒスタミン量の定量について、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の条件検討を進めてきた。食品中に一緒に含まれている他の成分との相互作用の影響が大きいため、決めてとして用いるべき手法を絞りこめきれずに、他方で、昨年度は加熱の方法の違い、処理条件の違いによる大まかな影響を追跡した。しかしはっきりした差異を比較するためには数値化による客観性が必須であり、今年度は新たに酵素を用いた実験を進めた。ヒスタミンを酵素によってアルデヒドに変換することでその変化量を定量値へと導くため、各種発色剤の中で、ホルマザンの生成量として吸光度を見る条件を検討した。食品中のもともとの色による妨害を抑えるため、前処理として数社の固相カラムを使った結果、Waters社のSep-Pak Plus Accell CMでの処理が最も再現性が高かった。緩衝液としては最初酢酸系を用いていたが、リン酸緩衝液が安定していることを見出した。そしてこの緩衝液を用いた酵素反応を吸光度で比較する手法での数値が安定することを見出した。
3: やや遅れている
コロナ等での研究時間の不足が長引いたことから、予定した検討をやりきることができておらず、研究機関の延長を申請し、実験を進める予定である。
昨年度、定量性について安定した結果を得られたことから、一昨年の加熱条件の検討をさらに進める予定である。
研究期間延長により、本来配分される助成金がゼロとなるところではあるが、次年度使用額の82,689円で、今後の実験に使用する試薬その他を用意し、実験を進める予定である。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
Tetrahedron
巻: 120 ページ: 13289~13293
10.1016/j.tet.2022.132889