研究課題/領域番号 |
18K18613
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
桜井 政成 立命館大学, 政策科学部, 教授 (90425009)
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研究分担者 |
秋吉 恵 立命館大学, 共通教育推進機構, 教授 (00580680)
桜井 良太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00749856)
菅 磨志保 関西大学, 社会安全学部, 准教授 (60360848)
富永 京子 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70750008)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2024-03-31
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キーワード | 受援力 / コミュニティ / ボランティア / サードプレイス / 孤独 / 幸福感 |
研究実績の概要 |
本研究はこれまで災害研究で言及されてきた、地域が支援を受け活用できる能力とされる「受援力」について、実証研究を踏まえその概念を明確にすると共に、他の研究領域でも幅広く使えるよう検証・再定義し、その応用可能性や地域での向上方法を検討するものである。2023年度は延長期間となるが、2022年度に行ったオンライン調査で実証調査を行い(研究計画における調査②)、その結果について解析を進めた。その中間的な結果については、2023年7月の第21回福祉社会学会大会や、2024年6月の日本NPO学会第26回研究大会にて報告を行っている(予定含む)。今後、調査結果を踏まえて論文化をし、成果を公表したいと考えている。 研究期間全体を通じて実施した研究成果を整理すると、 まず、キーパーソン調査やアクションリサーチ、すでに実施した研究等を取りまとめることによって、受援力とは多様な社会構造的な要因によってコミュニティに形成されるものと仮定できることを整理した。次に本研究ではそうした要因における援助要請抵抗感に着目し、それを払拭するためにサードプレイスの影響を明らかにしようとした。しかしながらサードプレイスは援助要請抵抗感とは直接関係をしていなかった。ただし援助要請抵抗感もサードプレイスも孤独感と生活満足度とは関連をしており、異なった影響を与えると想定される。想定外の結果ではあるが、サードプレイスのコミュニティへの意義は一定明らかとなったことは学術的にも実践的にも示唆がある本研究の成果と言える。今後の研究課題としては他の社会構造的要因に着目し、総合的にコミュニティの受援力に与える影響を把握するとともに、それを高める方策をアクションリサーチ等で検証していくことが求められるだろう。
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