研究課題/領域番号 |
18K18623
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川口 純 筑波大学, 人間系, 助教 (90733329)
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研究期間 (年度) |
2018-06-29 – 2021-03-31
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キーワード | 自省する専門家 / コンピテンシー / 教員評価 / 教員スタンダード / 国際比較研究 |
研究実績の概要 |
本研究では、アジア・アフリカ地域の教員政策について国際的潮流との比較研究を実施し、各国特有の教員政策の特徴と課題を明らかにすることを目的としている。教員政策のグローバル化が進展する中で、教授法や教員養成、教員配置などの教員政策が画一化される傾向にある。特に、途上国においては、教師中心主義の教授法やモチベーションの低い教員の存在が“問題視”され、国際標準に合わせた上からの教員政策の改定が実施されている。しかしながら、既存の実証研究を概観すると、単に国際標準に合わせた教員評価や教授方法を現場の教師に押し付けても、実際の教室の中での実践力向上や教育の質上昇には繋がっていないことが分かる。国際標準は一定程度、尊重しながらも、一方で各国の教育文化や教員自身が受けてきた教育に鑑みながら、各国の教員が自主的、自律的に教育実践を試行出来るような教員政策が必要とされている。 本年は、研究期間の2年目に当たり、下記の項目を実施した。(1)第2回全体研究会議の開催(5月)。収集資料や取りまとめた会議報告は、英語でデータベース化し、ウェブ上で公開しながら国際共同研究の対象とした。(2)日本比較教育学会におけるラウンドテーブルの開催、第3回全体会議の開催(7月)、東京外国語大学で開催された日本比較教育学会において、ラウンドテーブルを開催して、これまでの調査結果を共有するとともに、参集者からご批判、ご意見も頂戴した。(3)第二次現地調査の実施(8月~10月)、調査結果の分析(10月~12月)タイ、マラウイを初め、現地調査を実施し、各分担者の先生のご尽力により、分析を進めた。(4)国際比較教育学会等、関連学会での研究発表の実施(1月~3月)この(4)については、新型コロナウイルス拡大の影響により、全てキャンセルとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国際比較教育学会等、関連学会での研究発表の実施(1月~3月)を予定していたが、新型コロナウイルス拡大の影響により、全てキャンセルとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方法としては、新型コロナウイルス拡大の影響により、不透明な点が多いが、今年度は、本科研事業の最終年度に該当するため、研究成果の発信に重点を置き、国内外の学会での発表、国際会議での研究成果の共有など、研究面だけでなく、国際教育協力などの実践への貢献にも注力していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの拡大に伴い、2019年度中に予定していた現地調査や研究発表を次年度に延期した。次年度の計画は、コロナの終息状況次第であるが、現地の協働研究者の意向も踏まえて、慎重に検討し、無理の無い計画を立てる予定である。
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